笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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ワーホリの覚醒4同居2

2013/02/17 16:04|連載小説ワーホリの覚醒4TB:0CM:2
久しぶりの再会。
話は弾み路男磨はブタタマのお好み焼きを三枚も食った。
「もう行かなくちゃ。いくらだい?」
路男磨は縁の擦り切れた財布を取り出し代金を払おうとした。
「何言ってるのよ。とも…路男磨君は払わなくていいのよ!」
望詩はもう嬉しくて仕様がないと言った態度で路男磨の肩を叩いた。
彼女は“ともだち”…と言おうとして“路男磨君”と力を込めて言い直した。
そこに〈友達以上になりたいのよう〉という切実な願いが込められているのだが路男磨は気付かなかった。
「そうかい、悪いな。ギャラが入ったらどこか連れてってやるよ」
「うれぴー!」
望詩は路男磨の腕に縋り付いて喜びを表現した。
「すごいわね、レイバーズに出るなんて!あたし英語良く分からないけどあれ結構面白いわよ」
幸が横から口をはさんだ。
彼女は毎週のように望詩に会いにこのライクハートパークに来ているという。
「ま、いい演技しないと首切られるかもしれないけどね。でも望詩のほうがすごいよ。トイレに住んで商売するなんて…」
と路男磨は腕から離れない望詩の方を見て言った。
「すべてこのオリュンポスのおかげよ。この犬のお蔭でこれまで無事に生きてこれたのよ」
と望詩は大人しくBBQ台の横に座っているオリュンポスの頭を撫でた。
「この犬さ、以前オペアしていた家で苛められてて可哀想だったから連れ出したんだけどすごく頭がいいの。ほら見てて―」
望詩は傍に転がっていたテニスボールを掴みアイロンコーブの渚に投げ入れた。
するとオリュンポスは猛然と走り出し勢いよく海に飛び込むとそのボールを咥えて戻ってきた。
「ほんとだ…」
路男磨が感嘆の声を漏らすと
「もっと遠くでも取ってくるのよ」
と望詩は今度はずっと沖に投げた。
それもオリュンポスはあっという間に拾ってくる。
「へええ、よく鍛えられてるな。俺が投げても拾ってくるかな?」
「もちろんよ」
と望詩は濡れたテニスボールを路男磨に渡した。
「よぉし、今度はちょっときついぞ!」
路男磨は全力で腕も折れよと遠投した。
岸から随分離れているが今度もオリュンポスは勇敢に泳ぎボールを口に咥えた…とその時…犬の後ろの海面がずああっと盛り上がった。
そして、その盛り上がった潮を切り裂くようにあのおぞましいフカヒレが現れたのだ。
フカヒレは最初は一つ、それが一つ、また一つと増え、三つのフカヒレが猛然とオリュンポスに向かって進んでいた。
「キャーッ、早く!オリュンポス早く逃げるのよ!」
望詩は絶叫し、路男磨と幸も手を振り回し同じように叫んだ。
オリュンポスは気付いているのかどうか必死に手足をばたつかせ岸を目指している。
「あと少しだ頑張れ!」
路男磨は叫んだ。
もう岸まで10メートルも無い。
だが…サメは浅瀬をもろともせず突き進んできた。
そして、オリュンポスの後ろ足にガブリと噛み付いた。
「キャーァァァ!」
望詩は狂ったような声を上げた。
おびただしい血が水面に浮かんだ。
オリュンポスの口からテニスボールがポロリと落ちた。
「キュウ~ン」
ああ憐れオリュンポス、あとはよってたかってサメに食われるだけだった。
やがて犬の頭が海の中に沈んだ。
可哀想に忠犬オリュンポスは海の藻屑と消えてしまったのだ。

「う、うううううう…」
望詩は膝をガクンと地に着き号泣した。
「今までこんな事は一度もなかったのに…」
彼女の涙は滝のように頬を伝い、オリュンポスの消えた海に流れ落ちている。
〈俺のせいだ…〉
路男磨も愕然とし、咄嗟にかける言葉が思いつかなかった。
ふと横に立つ木を見ると、その幹にサメに注意と書かれた、なんともテキトーなサインがかかっている。
images (2)

「こんなの見て本気にする奴なんていねーよ!」
だがサメは浅瀬にもやって来るのだ。
シドニーハーバーには浅瀬を好む獰猛なブルシャークやタイガーシャークがわんさと生息している。
パラマタリバーのアイロンコーブもまた例外では無い。
どうやらオリュンポスを襲ったのはヒレの色から察してブルシャークと推察された。

「ううううう、あたしこれからどうやって生きていけばいいの……」
望詩は肩を震わせて泣き続けている。
「ごめんよ望詩、俺が悪いんだ。俺が遠くに投げちゃったから…」
路男磨は望詩の肩に手をかけた。
「ううん、あたしが悪いのよ。あたしがあんな芸仕込まなければ…」
と望詩は肩に置かれた路男磨の手を握った。
「オリュンポスの代わりは俺が責任を持ってやるよ」
路男磨はそうするしか望詩に詫びようがなかった。

こうしてその夜から、路男磨もまたライクハートパークの公衆便所に泊り込むはめになってしまったのだ。
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えびこ #ENFLnLwY|2013/02/17(日) 21:03 [ 編集 ]
ああ、かわいそうなオリュンポス、ろおまってあほですか?顔は割といいのかもしれないけど。。。
Melozy #-|2013/02/18(月) 19:15 [ 編集 ]
ろおまのばか、お前が調子に乗って遠くに投げるから。。。私も泣いてしまいました。
滂沱滂沱。。。世の中にはついてない犬もいるもんですな。。。
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