笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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ワーホリの覚醒4同居1

2013/02/08 18:56|連載小説ワーホリの覚醒4TB:0CM:0
セントラルの駅から西へ歩いて20分、クレイグのバチュラーユニットはチッペンデールにあった。
路男磨はそのビルの玄関口に立ち、ロックの付いていないアルミドアを開け中に入った。
部屋はファーストフロアにある―と聞いている。
「なんで二階がファーストフロアなんだろ?」
と彼は薄汚れた階段を上がりながらふと思った。
豪では一階をグラウンドフロアと呼び二階をファーストフロアと呼ぶ。三階はセカンド、四階はサードと…。
「日本式にすればいいんだよ、紛らわしい…」
と呟く傍ら
〈いや、まてよ…〉
とその呼称をロジカルな観点からもう一度考察してみた。
〈日本で言う一階とはすなわち地面…何もなければ地平線…それを階とな?〉
路男磨は歩みを止め上ってきた階段を見つめた。
〈階段とは階が段に連なっているから階段…ということは…〉
やはりどちらが論理的であるかといえば、グラウンドフロアであり、強いて階を使うならゼロ階であろう。
〈生まれたばかりの赤子がゼロ歳であるのと同じ理屈か…〉

と、埒も無いことを考えながら、路男磨は“二階”の北側にあるクレイグの部屋のドアを叩いた。
返事は無い。
おそらく仕事に出かけているのだろうと思ったが、ためしに押してみると開いた。
しかし中にクレイグはいない。
「相変わらず無用心な奴だ…」
と呟きながら路男磨は中に入った。
部屋はバチュラーといわれるだけあって非常に狭い。
シングルベッドと備え付けの棚机で部屋の七割を占め、その横に小さなキッチネットが付いているだけだった。
路男磨が寝るとすればは通路しかないが、そこに寝てしまうとトイレやキッチネットへのアクセスを塞いでしまう。
さてどうしたものかと見回すとベッド横のガラス戸の向うに小さなベランダが付いているのが見えた。
そのベランダに出て、試しに体を横たえると棺桶に入ったように身動きができないが、足を曲げれば何とか眠れそうだった。
ただ一目瞭然の安普請で、コンクリートには無数のひびが入っている。
豪に来てから二度ほどベランダが落ちて人が死んだと言うニュースを聞いていた。
「犬死はゴメンだぜ…」
路男磨は叩いたり、跳ねたりしてその強度をチェックしたが、暴れない限りは大丈夫なようだった。

路男磨はバックパックをクレイグの部屋に残し外へでた。
パラマタロードを西へ。
まだ昼過ぎであったが麗蘭には特に何時に行くとも伝えてなかったので、ポツポツと彼女の住むアナンデールへ向かって歩いていた。
バスが何本も横を過ぎていく。
そのバスに乗れば五分で着くのだが、金欠の路男磨はそのバス代すら節約しなければならなかった。

「ロオマさん―」
すぐ右を通り過ぎていったタクシーの中から聞き覚えのある声が聞こえた。
空耳かな?と思っているとそのタクシーが10メートル先に止まり、中から英語学校のクラスメイトであった姉小路幸が降りてきた。
「ロオマさん、シドニーに戻ってたんですか?」
幸とは英語学校のお別れ会で、アスオが彼女の頭にカレーをぶっかけて以来である。
ほんの半年ほど会っていないだけだが、以前とは別人のように大人びて見えた。
色気づいたとか化粧が濃くなったとかいうのではなく、一皮剥けたといった雰囲気が彼女の全身を包んでいた。
「うん、今さっき戻ったんだ。学校は終わったの?」
「今日は昼で退散です。どうせ午後はたいした事しないし…午前もだけど…」
「英語うまくなった?」
「ぜんぜん。あ、そうそう今から望詩ちゃんに会いに行くんです。一緒にどうです。会いたがってますよ」
と幸は生き生きとした口調で言う。
〈望詩か…〉
懐かしい友達で会いたくはある。
しかし彼は誰よりも先に麗蘭に会いたかった。
望詩にも可愛い気を感じた事はある。
しかし彼女は今や女としては過去の人だった。

「彼女今頃BBQやってますよ。金曜だけど大学はまだ休みだから、金土日とやってるんです。最近はお好み焼きが馬鹿受けして以前よりもずっと忙しいんですって!」
「BBQ?」
路男磨には話がのみ込めなかった。
彼は望詩が公衆便所に住み、公園のBBQ台で商売している事を知らない。
路男磨のきょとんとした顔を見て、幸はその事を手短に説明した。
「美味しいお好み焼き食べたくありません?」
その一言は路男磨の胃に染み渡るように響いた。
空腹なだけでなく、彼は長い間日本食なるものを口に入れていない。
「でも俺行く所が…」
路男磨が顔をしかめて振り切ろうとすると
「車でほんの15分ですよ。少し食べて話して、帰りもタクシーで送ってあげます、ね!」
幸は路男磨の袖を引っ張り強引にタクシーに乗せた。
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