笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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ワーホリの覚醒2クレイジーチャイナマン1

2012/06/14 17:54|連載小説ワーホリの覚醒2TB:1CM:0
一ヶ月が過ぎた。
乗馬学校の朝は起床六時と早い。
朝寝坊はオリバーが電気スティックで叩き起こし、みんな適当にコーンフレークやらトーストやらで朝食をとる。
食堂の台所側の壁には大きく“Boss is always right”と書かれた紙が貼られ、その下には “If You think Boss is wrong see above”と貼られていた。
それを見ながらクレイグが
「ファーック」
と眠そうに目をこすりながら路男磨の隣に座る。
それが朝の習慣になっている。
彼は路男磨がどんなに体を揺すっても起きず、電気ショックで目を覚ますのが習慣になっていた。
そのせいで朝はいつも機嫌が悪い。

朝食の後オンボロバスで五分離れた牧場へ向かう。
元々30人いた生徒は20人まで減っていた。
そのお陰で最初は坂道は止まりそうになっていたバスも今は軽快に走っている。
残っているのは男子が13人、女子が7人。
脱落者は全て男子だった。
その殆どは落馬の回数が多すぎて、オリバーが危険と判断して退校させたが、中には厳しすぎるとか、面白くないという理由で去っていった者もいた。
路男磨はここが厳しいとはこれっぽちも思わなかった。
中高の部活よりは遥かに楽でトレーニング内容も合理的だった。
勿論、面白くないなんてことはない。
だから不平不満を並べて去っていくオージーを見ては
「忍耐のかけらも無い連中……」
と半ば呆れる面持ちで見送った。
晴れれば大草原を駆け、雨ならば校舎で講義。
路男磨にとっては願っても無い環境が続いていた。

下界は春たけなわとはいえサザンハイランドの朝は寒く、辺りは白い霜で覆われていた。
朝靄の漂う牧場に着くとまずヒラリーが調教用の長い鞭で「パーンッパーンッ」と地面を叩く。
その音は野山一面に響き渡り、それに呼応して広大な草原に放し飼いにされている30頭余りの馬がいっせいにドドドドと蹄を鳴らし、柵の中に入ってくる。
その馬達の横にヘイと呼ばれる干草を四角に固めた餌を投げ、頭にホールターをかけ丸太の柵に繋ぐ。
馬たちは慣れたもので嫌がりもせず旨そうに干草を食う。
その間に路男磨達生徒が背にブラシをかけ、蹄の間に詰まった土をペッグで落としてやるのが朝一番の仕事だった。

「おはようロオマ」
と上から降ってくる声に顔を上げるとそこには3歳のサラブレッドに乗ったヒラリーがいる。
彼女は何故か路男磨だけに声をかけ草原に走り出していく。
今朝だけでなく毎朝そうだった。
他の生徒は完全に無視されていたが、それは路男磨が金を払って滞在しているゲスト待遇ということで納得し、誰もそれ以上の詮索はしなかった。
大草原に出た彼女は最初歩かせ、次にトロッティング、キャンター、ギャロップと徐々にペースを上げ、競馬場と同じ楕円形を描いて馬を駆けさせていく。
その馬の鬣とヒラリーの赤いポニーテールが風に流れる時、男達は手を止め柵に寄りかかって煙草に火をつけるのである。
暁の朝靄の中、尻を高く上げて駆ける彼女の乗馬姿は美しくセクシーで、男達の憧れの的となっていた。

ここには他にも若いサラブレッドがいてオリバーともう一人の教官はそれら競走馬の卵を外で走らせたりトレッドミルにかけたりしてトレーニングしていく。
その間に、空になっている厩を掃除するのは路男磨達の仕事だった。
馬房に入るとまず尿で湿った藁を新しいものに取り替える。
次に、コロコロと転がった糞を手で拾って大きな籠に入れる。
最初は「糞を手で!?」と大いに抵抗があり、ヒラリーは「ロオマはしなくていよ」と言ってくれたが、「When in Rome Roma does the Romans do*」
と答えて、皆と同じように毎朝馬糞拾いをやっている。
そういった路男磨の態度が好感を与えているのかどうか、入校以来ヒラリーは、路男磨と目が合うとえもいわれぬ微笑を見せ、時には彼の担当の馬房のみ手伝ってくれることがあった。
最初は「こんな美人が糞拾い…」と不思議な気がしたが、一緒にコロコロした糞を拾っていると仲間としての連帯感が生まれ、歳が同じなせいか話も弾んだ。
彼女は既婚ではあるが路男磨と同じ19歳だった。
ところが彼女の夫であるオリバーは53歳である。
年齢差34歳というすさまじい夫婦だが、傍目には仲はいいように見えた。

今日も路男磨が糞拾いをしていると、担当馬の調教を終えたヒラリーが馬房に入ってきた。
「ロオマは仕事が丁寧ね。さすがは日本人ってところかしら…」
と彼の隣に接近してしゃがみこんだ。
この日ヒラリーはV字に胸の開いたTシャツ一枚を着ているだけだった。
「寒くないの?」
と横を向いた路男磨の目にどーんとはちきれんばかりの胸の谷間が迫った。
彼女は背は低いがよく締まった体つきで胸とお尻がミサイルのように飛び出している。
「ううん、暑いくらいよ。夏がそこまできてるのね…」
「俺はまだ少し寒いな…」
「私、体温高いの。平均37.2度だから…触ってみる?」
と彼女は路男磨の手首を握った。
「いいよ、手汚いし…」
路男磨は手を解こうとする。
「手の甲で触ってみて…」
彼女は握っている手に力を入れ路男磨の手の甲を首の下のきわどい所に両手で抱きしめるように当てた。
「熱い…」
「でしょう、ロオマは?」
と彼女はまだ汚れてない手でロオマの襟元からシャツの中に手を入れた。
「冷たい…」
と言いつつ、手のひらでロオマの胸の辺りをさわさわと撫でている。
「俺、平均36.2度だから…」
と少し迷惑そうに彼女の手を引き抜こうとしたが、彼女はそれに逆らってグッと手を臍の辺りまで差し込んだ。
「あら、この辺は温かいわね…」
「ちょっと―」
と今度は強引に彼女の手を服の中から抜いた。


「おーいロオマ、スモーコーにしようぜ」
馬房の外でクレイグの声がした。
馬房は木の板で馬の顔の高さまで囲われているが彼は背が高いから額より上がその上に覗いていた。
「クレイグ!あなたちゃんと掃除したの!」
ヒラリーは教官の顔に戻って怒鳴った。
彼女もオリバーもはねっかえりで言う事を聞かないクレイグには厳しい。
「ああ、したぜ」
「嘘、あなたの掃除はいつもハーフジョブなのよ。昨日も濡れた藁がそのままになってたわよ」
「俺が替えたすぐ後に馬がしょんべんしたんだよ」
「嘘おっしゃい、今からチェックするわ」
ときつい声で言ったヒラリーは路男磨のほうを振り返り、全く別人の表情でウインクして馬房を出て行った。
「フーッ」
と路男磨は大きく深呼吸した。
最近ヒラリーは路男磨が一人な時を見つけては話しかけてくる。
彼女には三つの顔があった。
人妻、教官、そして19歳の女の子であり、その第三の顔は路男磨に対してのみ見せるものだった。

*When in Rome do as the Romans do:郷に入りては郷に従え。

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まとめwoネタ速neo 2012/06/19(火) 03:27
一ヶ月が過ぎた。乗馬学校の朝は起床六時と早い。朝寝坊はオリバーが電気スティックで叩き起こし、みんな適当にコーンフレークやらトーストやらで朝食をとる。食堂の台所側の壁には...

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