笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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ワーホリの覚醒2ミタゴン乗馬学校5

2012/05/05 00:57|連載小説ワーホリの覚醒2TB:1CM:0
小川の林側は草が深く膝くらいまであって、二人はそれを掻き分けるように進んだ。
水は少し濁っていたが底が見えないほどではなく、流れは緩やかで底には無数の穴があいていた。
エッジの高さはせいぜい二メートル、水深は一メートルもない。
歩きながらエマは「蛇に注意して―」と何度も路男磨に警告した。
この辺りにはブラウンスネークという体長2メートルほどの毒蛇がいるらしい。

川幅の少し広くなった澱みは底の穴の数も一段と多く、二人はそのエッジの草を均して座った。
テグスに針を結び小さな噛み潰し錘をつけ、豚肉を引っ掛けてその穴に投げこむ。
しばらく待つとコツンコツンと爪の振動がテグスから手に伝わってくる。
それをあせらずゆっくりと引っ張ると、ほぼ100%の確率で大きなヤビーが豚肉にくっついて上がって来た。
路男磨は子供の目に戻って夢中で釣った。
まさに入れ食いでバケツはあっという間に一杯になった。
日本で見るような赤いのもいたが青いほうが多く、黒っぽいのもいて、日本のものよりもサイズが大きい。
特に青いのはロブスターに近い大きさのもいて一番大きなのはバケツに入らないほどだった。
その大きな青ヤビをエマはひょいと手で掴み、
「これ食べない?日本人って何でも生で食べるんでしょ?」
と路男磨の目の前に持って来た。
「川のものは駄目だよ。虫が湧く」
「じゃ、焼こ」
彼女はその大ヤビを無理矢理バケツに押し込むと、立ち上がってすぐ後ろのユーカリの林まで歩いて行き、落ち葉と枯れ枝を拾ってきた。
そして上着のポケットからナイフを取り出し、一番長い枯れ枝の先を削るとそれでバケツの中の青ヤビーを背中からブスリと刺した。
まだ生きていたヤビーはピクピク足を痙攣させているが、彼女はかまわず別のポケットからライターを取り出し、集めてきた落ち葉と枯れ枝を青草の上に盛り上げて火をつけた。
オイルを含むユーカリの葉は、勢いよくボウッと燃え上がり、彼女はその炎に大青ヤビをかざす。
日頃からそういう事をやり慣れているのか、元々得意なのか彼女は原始人のように手際が良かった。
パチパチと火の粉が飛び、香ばしい匂いが路男磨の鼻腔を刺激する。
「焼けた―」
彼女は少しこげた大ヤビを青草の上に寝かせて殻を剥いた。
中には白いほっこりとした身がぎっしりと詰まっている。
彼女はそれを摘んで口に入れた。
「ちょー旨い!」
と路男磨にも勧める。
彼もその白い身を摘んで口に入れた。
「甘ッ…」
思わず声がでるほどの味だった。
身がロブスターよりもずっと甘い。

その後、路男磨が釣り、エマは枯れた枝葉を集めては焼いて食った。
彼女はバリバリ言わせて尻尾まで食い、頭の部分を小川に投げ捨てた。
「これ、あんたの分」
と次から次へと焼いては路男磨に勧め、自分は腹がはったのか煙草を取り出し火をつけた。
彼女はなったばっかりの14歳だそうだがその姿は堂に入っていて、上を向き口を丸く開けて頬をポンポンと叩いては煙で輪をつくっている。
その隣に路男磨も座り、草の上のよく焼けたヤビーの殻を剥いて食べた。
その様子を彼女は口から煙を吐きながら好奇に満ちた目で見ている。
「どうかした?」
路男磨が言った。
食っているところを人にじっと見られるのは気分のいいものではない。
「あんた、日本人にしては歯がきれいね」
「日本人にしてはって?」
「え、知らないの?日本人って歯が汚いって有名よ」
「そうなの?」
「そうよ。テレビでね、そう思っても言っちゃ駄目だって言ってた。政府も日本人観光客には気を使ってるのよ」
「そういえば、オージーって歯が綺麗だね。みんな白い歯してる。歯並びもいいし…」
「歯が綺麗なのはね、フローライド*のせいよ。飲料水に薬を混ぜてるのよ。それ以来虫歯が激減したんだって。歯並びがいいのは矯正しているから。ブレスしてる子いっぱいいるでしょ」
そういえば、一見おはぐろに見えるブレスをつけている女の子を見ることが日本よりずっと多い。
「こっちの子って歯の事結構気にするんだな…」
「あたしはそんなに気にしないわ」
とエマは口をニッと開いて、路男磨に顔を寄せ、自分のスキッ歯をドアップで見せた。
路男磨はやや顔を仰け反らせた。
そのスキッ歯の間にザリガニの尻尾が挟まっていたのだ。
「あんた、よく見るとハンサムね…」
ザリガニの尻尾が意味ありげに言った。
「いやあ、そんなことないよ…ハハ…」
路男磨はさらに体を仰け反らせ、そらせすぎて草の上に寝転ぶ形になった。
その上にザリガニの尻尾が覆いかぶさる。
彼女の目は狩猟者の如く金色に妖しく光っていた。
「子供ってハーフでもいいのよ。あたしとあんたの子ならきっとスーパキュートよ」
上から生なましいザリガニの匂いがモワワンと降り注いでくる。
路男磨は息を止め顔を背けた。
万一キスしたら吐くかも知れない。

しかし彼は彼女を払いのける事はしなかった。
〈なぜ…?〉
自分でも分からない。
顔を背けつつも左手は彼女の背に右手は彼女のお尻に回っていた。
密着した彼女の細い体と膨らみかけの乳房に股間が異様な興奮を覚えている。
相手が14歳であるという理性は既にどこかへ消え去っていた。
〈俺はもしや?ハヤオだったのかッ!?〉
空が青い。
ユーカリの枝葉の間から、強烈な午後の日差しが降り注いでいる。
鼻腔が緑になるほどの青草の匂い、辺りに散らばるザリガニの残骸…。
その原始的な環境が人の本能を目覚めさせるのかッ!?
〈うわああああああ…〉
頭の中が真っ白になった。
何かが…プツンと切れた…。

路男磨はクロマニョン人と化した。
体が異常に臭いものを求めている。
〈ああ、臭いもの…臭いものを舐めたい…〉
目の前にザリガニの尻尾が迫っている。
「ん~~」
路男磨は、花の香りを嗅ぐ様に鼻を鳴らしその匂い吸いあげた。
右手はもっと臭い所に迫っている―。


*フローライド:フッ素。

14_yabbies_SteveWilson_gal.jpg

ヤビー(写真はネットより)。随分昔だけどさ、グフみたいなのいたよ。旨かった。
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まとめwoネタ速neo 2012/05/05(土) 10:26
小川の林側は草が深く膝くらいまであって、二人はそれを掻き分けるように進んだ。水は少し濁っていたが底が見えないほどではなく、流れは緩やかで底には無数の穴があいていた。エッ...

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