笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
http://melozy.blog.fc2.com/ presented by おーあお

プロフィール


おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


最新記事



カテゴリ



最新コメント



最新トラックバック



月別アーカイブ



カレンダー


06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -


全記事表示リンク


全ての記事を表示する


ワーホリの覚醒2ミタゴン乗馬学校2

2012/04/13 18:55|連載小説ワーホリの覚醒2TB:0CM:0
食堂は天窓から朝の光が斑点のように差し込んでいた。
斑なのは、表の銀杏の枝葉がブラインドとなっているからだった。
「午後には大勢押しかけてくる」
白髪をポマードで固めた老人が言った。
近くで見るといかつい顔で、巨大な鷲鼻に特徴がある。
彼はオリバーと名乗り、握手した手はまるでグローブ、指は極太だった。
ここの校長であるという。
一緒にいる赤毛の少女はヒラリーと名乗った。
彼女は教官の一人であるらしい。
但し娘とも孫とも言わなかった。
華奢で背が低いがショーツから伸びた足はよく締まっていて出るところは思いっきり出ていた。
顔は美人と言うより可愛いいに分類されるが、その可愛さが半端ではない。
小さめの顔に大きな目、その瞳は赤茶色で睫が長く、その上に美しく細い眉が伸びている。
一言で言うならアニメ面で、男を虜にしてしまうような魅力があった。
〈こんな可愛い子があの極太の餌食に…〉
といたたまれない思いでオリバーの指を睨んでいると
「君はオージーではないな?」
とその鷲鼻に聞かれた。
日本人だがそこを曲げて入校させてほしいとお願いすると、呆気なく「かまわんが金は払ってもらう」と了承された。
料金は週$150、それで3食乗馬付きという。
当時としても破格の値段だった。

後で聞いたが以前にも海外からの入校者がいて、その時も金を取ったらしい。
もっともその金は運営費を全面負担している政府に行くのではなくオリバーの懐に入るのだそうだ。
なるほど、道理で簡単に承知してくれるはずである。

あまりに事がスムーズに運んだので拍子抜けしたが、これから4ヶ月間のオージーとの寮生活を思うと興奮せずにはいられなかった。
日本語なんて話したくても回りは誰も話せない。
読みたくても日本の新聞も雑誌も置いていない。
そんな四六時中英語漬けの生活が続くのである。
願っても無い環境で路男磨はつい嬉しくなって校舎の中を見回した。
古い建物の特徴で天井が高く、広々としている。
白い壁は最近リペイントされたのか落書きはひとつも見られなかった。
床は板敷きで、随分古いが、綺麗に掃除されていて塵一つ落ちていない。
その板敷きの廊下が食堂から3方向に伸びていて一つはメインエントランス、もう一つはさっき覗いたレジデンスと教室、後の一つはプレイルームに繋がっているようで、路男磨の位置から、ビリヤード台と卓球台の端が目に入った。

路男磨の隣にはクレイグが座り、真向かいにヒラリー、その隣に校長のオリバーが座っている。
路男磨の前のヒラリーはニコニコしているが、その顔を見るとさっきの痴態が脳裏にチラチラするので出来るだけ見ないようにした。
会話はオリバーの独壇場であった。
演説調に大声で話し、時々あっはっはっはと大鼻を揺すって笑う。
だが、路男磨には何を言っているかさっぱりわからない。
〈笑ってやらなきゃ可哀想…〉
とは、その巨大な鷲鼻を見ながら思うのだが、意味も分からずに哄笑する趣味は路男磨にはない。
隣のクレイグも笑わず、全校集会で校長先生の話を聞く小学生の顔をしていた。
それでもオリバーは話し続けたが、田舎の年寄りの英語は東北弁のお年寄りの話を聴くのと同じで、都会の英語と比べて随分と訛っているように聞こえた。
だがただ一言はっきりと聞き取れたことがある。
話の途中に、オリバーは
「マイワイフ」
と誇らしげに言い、ガッキとヒラリーの肩を抱き寄せたのだ。
〈ナニッ!?―〉
その時の衝撃…許せないものを感じたが、そこはもうすぐ20歳の大人、グッとガマンして作り笑顔で誤魔化した。
隣を見るとクレイグも同じく苦しそうに首を斜めにして「ニッ」と顔をしかめていた。
この表情は、オージーがボスに同意を求められて、賛成ではないが反対も出来ない時によく使うものだ。
しかし年齢差は一体いくつなんだろう?

寝泊りする部屋にはヒラリーが案内してくれた。
彼女の後ろについて歩く。
よく締まったケツがプリンプリンと左右に揺れ、ヒラリーが話しかけると二人はそのケツに向かって返答した。
部屋はだだっ広く、シングルベットが20ばかりも置かれているが中には誰もいなかった。
ただいくつかのベッドの上にはバックパックや寝袋が置かれているから、既に何人かの生徒が滞在していのだろう。
「適当に気に入ったベッドで寝てちょうだい。食事は台所にあるものなら何食べても結構。今夜は適当に自炊、明日からはさっきの賄いさんが作ってくれるわ」
とヒラリーは明るい声で言い部屋を出て行った。

路男磨もクレイグも窓際のベッドを選んだ。
路男磨の場合、日当たりがいいからという生易しい理由ではなく、襲われた時の迅速な脱出を考えての事だった。
昨夜から一睡もしていない路男磨はスーツケースを開けることもなく、靴を脱いでベッドの上に横になった。
しかし不思議と眠気くなく、目を瞑っただけで「麗蘭や望詩は今何をしているだろう?」と考えていると、窓の外に人の声を聞いた。
スポンサーサイト
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック:
トラックバック URL
http://melozy.blog.fc2.com/tb.php/528-158d021e

検索フォーム



おすすめ記事



フフフ、この謎が解けるかな?


良い習いは地歩地歩

人気ブログランキングへ にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ


リンク


このブログをリンクに追加する


RSSリンクの表示



QRコード


QR


 |  未分類 | メルボルンライフ | メルボルンのニュース | オーストラリアの風俗 | オーストラリアのニュース | オーストラリアの日本関連ニュース | オーストラリアの株、不動産ニュース | おーあおの不動産売買 | 自閉症関連ニュース | 自閉症.AUTISMの真相 | 調査捕鯨 | 海外から見た日本の領土問題 | 面白人間 | 腰抜け物語 | 下痢腹男の苦闘シリーズ | 私立探偵中出好男 | 中年ボロボロフリーターの日記 | 連載小説ワーホリの覚醒1 | 連載小説ワーホリの覚醒2 | 連載小説ワーホリの覚醒3 | 連載小説ワーホリの覚醒4 | あしたのペニ子 | 世界のニュース | 観光関連 | 宇宙関連 | 医療関連 | 教育関連 | ウチの猫 | 国際結婚 | 言語関係 | メラちゃんのジュエリーマーケット | 絵画 | 豪の鳥 | 豪の動物 | 豪の食いもん | サバーブ遊歩日記 | 家の修理 | これから豪に来る人の為に | テニス | ゴルフ | Japanese News (Australia related) | Reserch | おーあおの株取引 | 
Copyright(C) 2008All Rights Reserved. オーストラリアの青い空
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への軌跡.