笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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ワーホリの覚醒2仕事2

2012/03/30 17:06|連載小説ワーホリの覚醒2TB:0CM:0
「あ、もう決まっちゃたから―」
ドアを入った途端にそう言われた。
「そうですかぁ、仕方ないですね…」
望詩が店を出ようとした時、もう一人可愛らしい女の子が入ってきた。
その緊張した顔つきから一目で面接に来たのだとわかった。
「もう決まっちゃたらしいよ」
望詩がそう言った瞬間後ろから大きな声がした。
「まだ決まっとらん!ささ、こっちへ」
鉢巻を巻いた板前オヤジは手を引っ張るようにして彼女を奥へと連れて行く。
「だってさっき決まったって―」
「五月蝿い!あんたのポジションは決まったって言ったんだ。仕事の邪魔だ。帰ってくれ」
「なによ!ハゲ!」
望詩は憮然としてそのジャパレスを出た。

次の面接は歩いて10分ほどの所にある別のジャパレスだった。
中に入ると眼鏡をかけた気取った男が出てきて椅子に座って待つように言った。
どうやら彼がマネージャーらしい。
店の入り口に並んだ椅子には他に二人の女の子も座っていて望詩の面接順は3番目とのことだった。
店は二階建てで面接は二階で行われている。
随分と待たされた―。かれこれ一時間になる―。
「野藻さんですね?」
やっと自分の番になって階段を上がりマネージャーに向かい合って座る。
「じゃ、結果は電話で。もし無かったら悪いけど駄目だったと思ってね」
椅子に座った途端に彼が言った。
「え、もう終わりですか?」
「そ」
面接は一秒で終わった。

「馬鹿にしてるわ!一時間も待たせておいて!」
望詩は大股で街に向かって歩いていた。
さっきの感じではどうせまた駄目だろう。
彼女は既に30以上の面接に落ちていた。
当時は日本の景気がよく日本人観光客がわんさかいた。
そのお陰で、ジャパレスの他、土産物屋、ツアーガイドと日本人の雇用は今よりもずっと多かった―にもかかわらず望詩には仕事が見付からない。
彼女は街角のATMで預金を下ろし明細を見た。
「やばい…」
もしこのまま仕事が見付からなかったら嫌が上にも帰国しなければならなかった。
「なんとかしなくちゃ」

彼女はまたワーキングホリデー事務所に向かった。
ぱっとしない街ビルの中に入っている小さな事務所に入ると、以前見たことのある顔の男が椅子に座って日本の新聞を読んでいる。
90年当時ワーホリ情報局はここしかなく、暇なワーホリの中には毎日通っている者も居た。
〈何しに外国へ来てんだろ?〉
と望詩は呆れたが、彼女も偉そうな事を言えた立場ではない。
また期待せず求人情報のボードを見て行ったが、ここへは3日前に来たばっかりで目新しいものは貼っていなかった。
―とそこへでっぷり肥えたの黒髪の女性が入ってきた。
手に紙を持っている。
彼女は受付でその紙に日付のスタンプを押してもらい望詩の目の前のボードに張った。
Au Pair と大きな字で書いてある。
仕事内容は全て英語で書かれているが簡単な箇条書きで望詩にも理解できた。
「子守、料理、掃除…容姿一切不問―」
読んでいるとその女性から声をかけられた。
「あなた仕事探してるの?」
「ええそうです」
女性は望詩の顔をじっと見ている。
オージーらしくない行動で、望詩は多少不快に感じて顔を背けた。
「料理は出来る?」
「出来ます」
「じゃあ決まりよ。私あなたのような人を探していたの!」
女性は手を打って喜び、望詩の意向も聞かず勝手に決めると、今張った紙をはがして、その裏に名前と住所を書いて彼女の手に渡した。
「それじゃ、明日から頼むわね」
太った女性は、それだけ言ってワーホリ事務所を出て行った。

「アンドニオ パパジョリガイティス…」
望詩は声に出して呟いたがその読み方が正しいかどうかは分からない。
「アントニオじゃなくてアンドニオか―」
そのおばさんは見かけそのままで強引な感じがしたが、これといって当ての無い望詩の気持ちは半ば決まっていた。
ただ、その紙に給料のことは書いてない。
「オペアってその家によって待遇が随分違うっていうからなあ…」
その点が気がかりであったが、翌日から望詩はそのパパジョリガイティス家にオペアとして滞在する事になった。
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