笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
http://melozy.blog.fc2.com/ presented by おーあお

プロフィール


おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


最新記事



カテゴリ



最新コメント



最新トラックバック



月別アーカイブ



カレンダー


08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30


全記事表示リンク


全ての記事を表示する


スポンサーサイト

--/--/-- --:--|スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ワーホリの覚醒―英語学校12

2011/11/04 17:44|連載小説ワーホリの覚醒1TB:0CM:0
女の子の部屋に入るのは初めてだった。
南向きの窓には対岸のシドニーの夜景が光っている。
路男磨は部屋の中を見回した。
―とその部屋の奥に見覚えのある白いドレスが目に入った…
「あっ、じゃあ麗蘭は!?」
「そう、あの時の仮面のドレスは、わ.た.し」
舞台の上で踊るようにクルッと一回転して彼女は白いベッドの上に腰掛けた。
「公演は来週土曜日。今日はどうしてもあなたに会って忘れないように念を押しておきたかったの」
彼女は路男磨を下から見あげ足を組んだ。
路男磨はベッドの横の机の椅子に座った。
机の上にはさっき路男磨が貰ったのと同じフォトレームがもう一つあり、二つ並んで立てかけられている。
その写真を見て、路男磨は彼女の自分に対する好意に確信を持った。
「なんで俺なんか…」
路男磨は写真から麗蘭に視線を移した。
「さあ、人間って不思議な生き物ね…」
翠の目はそう呟いて路男磨の目を見つめ返した。

その翠の目に吸い寄せられるように路男磨は彼女の隣に座った。
自然に肩に手をかけ抱き寄せる。
彼女の艶やかな唇が間近に迫った。
初めてのキスだった。
心臓が破れるほどに波打ち息遣いが荒くなる。
麗蘭は目を閉じた。
〈キキキキキキキッス……〉
体がどもった。
極度の疲労と興奮が彼の体の自由を奪い、持病が発病したのだ。
手足が震え、一寸先の彼女の唇が長いトンネルの向こうに消えていく―。
〈ああ薔薇が、赤い薔薇がぁ…〉
彼はその薔薇を掴もうと無理に体を動かそうとした。
その時―何かがプツンと頭の中で切れた。
彼の目は力なく閉じられ、首がガクンと前に垂れた。

「どうしたの?」
麗蘭は不審に思い俯いた路男磨の肩を揺すった。
暫くして路男磨はゆっくりと顔を上げた。
その顔を見て麗蘭はハッと息を呑んだ。
そこにはさっきまでと全く違う顔があった。
彼の目は白濁と空ろに澱み、口元が冷酷に歪んでいた。

「ど、どうなっちゃったの?」
変わり果てた路男磨の表情に麗蘭は怯え腰を引き膝をにじった。
その時長く白い足が割れ、アンダースコートがちらりと覗いた。
その部分に白く濁った目が反応する。
〈彼じゃない。ここにいるのは誰?〉
身の危険を感じた麗蘭は立ち上がり、部屋の外に走ろうとした。だがそれより早く路男磨は彼女の腕を掴んだ。
そしてその腕を強引に引っ張りベッドの上に引き倒した。
ヒラヒラのスコートがまくれあがり彼女の柔らかい部分が露出する。
それを飢えた野獣の目が舐めるように見下ろす。
「嫌ッ、来ないで!」
彼女は逃げようとしたが路男磨は悪魔の素早さで彼女の足首を掴み、自分の方に引きずり寄せ、押しつぶすように体を重ねた。
「嫌っ、離して!」
麗蘭は手足をばたつかせ路男磨に抵抗した。
だが路男磨は容赦しない。
舌を首筋に這わせ、肩を噛み、胸を鷲掴みにした後、ビリッビリッとタンクトップを破った。
眼下に現れた真っ白なブラが本能をさらに刺激し、それに邪悪な牙がかぶりつく―。

しかし―経験の無い彼の体はここから先どうしていいのかわからなかった―。

その戸惑いが麗蘭に一瞬の隙を与えた。
「やめてよぉ!」
彼女は腕を必死に伸ばしてベッドサイドチェスト上の目覚まし時計を掴むと思いっきり路男磨の頭を殴った。
「ジリリリリリリリリ…」
衝撃でけたたましく目覚ましのベルがなる。
「―っつ」
路男磨は頭を抑えて怯んだ。
そこへ今度は彼女の平手がパーンッと彼の頬を張った。
路男磨の動きが止まった。
彼の頬に赤みが戻り、元の優しげな目に戻った。
だが全てはもう手遅れだった。
麗蘭の怒りは心頭に達していた。
「出ていけっ!出て行きなさいよ!」
ものすごい剣幕で麗蘭は路男磨を怒鳴りつけた。
「お、俺、ゴ、ゴメン、ごめんよぉ」
路男磨は、しどろもどろにそう言うと同時に部屋から走り出していた。
慌てて階段を降り、玄関から飛び出す。
自分が何をしたのか…おぼろげながら記憶があった。
「しまったぁ…」
悔恨の念が全身を支配し、強く噛んだ唇から血が流れ出た。
振り返って二階を見ると彼女が二階の窓からこちらを見下ろしいる。
暗くてはっきりとは見えないが二つの目には悲しみと軽蔑の涙が浮かんでいるようだった。
「死んじゃえ。馬鹿!」
彼女は震える声で叫ぶと机の上のフォトフレームを路男磨に向かって投げた。
彼はよけなかった。
それは彼の胸に突き刺さるように当たり、コンクリートの上に落ちてパリンと割れた。
路男磨はそれを拾った。
ガラスの破片が指をスパッと切り、流れ出る血が笑顔の二人を赤黒く染めた。


挿絵 By 茨城在住の妹
sasie-panrira2+jpeg_convert_20111104163055.jpg
スポンサーサイト
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック:
トラックバック URL
http://melozy.blog.fc2.com/tb.php/400-e49c2c0c

検索フォーム



おすすめ記事



フフフ、この謎が解けるかな?


良い習いは地歩地歩

人気ブログランキングへ にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ


リンク


このブログをリンクに追加する


RSSリンクの表示



QRコード


QR


 |  未分類 | メルボルンライフ | メルボルンのニュース | オーストラリアの風俗 | オーストラリアのニュース | オーストラリアの日本関連ニュース | オーストラリアの株、不動産ニュース | おーあおの不動産売買 | 自閉症関連ニュース | 自閉症.AUTISMの真相 | 調査捕鯨 | 海外から見た日本の領土問題 | 面白人間 | 腰抜け物語 | 下痢腹男の苦闘シリーズ | 私立探偵中出好男 | 中年ボロボロフリーターの日記 | 連載小説ワーホリの覚醒1 | 連載小説ワーホリの覚醒2 | 連載小説ワーホリの覚醒3 | 連載小説ワーホリの覚醒4 | あしたのペニ子 | 世界のニュース | 観光関連 | 宇宙関連 | 医療関連 | 教育関連 | ウチの猫 | 国際結婚 | 言語関係 | メラちゃんのジュエリーマーケット | 絵画 | 豪の鳥 | 豪の動物 | 豪の食いもん | サバーブ遊歩日記 | 家の修理 | これから豪に来る人の為に | テニス | ゴルフ | Japanese News (Australia related) | Reserch | おーあおの株取引 | 
Copyright(C) 2008All Rights Reserved. オーストラリアの青い空
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への軌跡.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。