笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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ワーホリの覚醒―英語学校11

2011/10/27 18:06|連載小説ワーホリの覚醒1TB:0CM:1
彼女の家はモスマンにあった。
すぐ横のフェリー乗り場からフェリーに乗りモスマンベイに向かう。
そこで下船して緩やかな丘を15分くらい歩いた所に彼女の家はあった。
白壁、二階建ての豪邸。
彼女はそこにホームステイしている。

家の中には50歳くらいの恰幅の紳士と品のいい婦人がいた。
麗蘭のホストピィアレンツで、普段は高校生の娘も一人いるのだが今は修学旅行でタスマニアに出かけているとのことだった。
ご夫妻とはラウンジルームでコーヒーを飲みながら15分ほど談笑した。
広いラウンジには日本の扇子やこけしの置物、壁には浮世絵やら金閣寺の写真が飾ってある。
それだけで夫妻がかなりの親日家であることが伺えた。
初対面の路男磨にも恐縮するほどにフレンドリーで、言葉もゆっくりと分かりやすく話してくれたがそれでも会話にならない自分が情けなかった。
頭の中にまず日本語が浮かぶ。
それを英語にしている間に話が進んでしまう。
普段から英語を話していない路男磨は、こういった機会に日頃の怠慢を思い知らされていた。
こっちに来て一ヶ月たつが、英語のみの環境に入ると相変わらず異常に神経をすり減らした。


テニスコートは裏庭にあった。
緑の人工芝に砂が撒かれ、ナイトプレイ用の照明もある。
路男磨はそこで麗蘭が家から出てくるのを待っていた。
彼女はテニスラケット二つとボール一缶抱えて出てきた。
彼女は白いテニスルックに変わっていた。
短いスコートから細く艶やかな足が伸びている。

彼は久しぶりにテニスラケットを握った。
「あなた、写真を抱えてテニスするつもり?」
ふと気付けば右手にラケット、左手にさっきのフォトフレームを抱えていた。
その格好を見て麗蘭は笑ったが、路男磨の愛想笑いは引き攣ったものになった。
〈くるのか!?〉
彼は発病の気配を感じていた。
不安を感じつつ写真をテニスコート横の白いベンチの上に置いた。
「駄目よ、そんなとこ置いちゃ。球が当たったら割れるじゃないの」
麗蘭はそのフレームを手に取り、家に持って入るとわざわざ二階に上がり自分の部屋の机の上に置いた。

陽が街の向こうに沈み辺りに夕闇が迫っている。
麗蘭はフラッドライトのスイッチを入れた。
テニスコートがトワイライトにボウッと浮かび上がり、黄色いボールが右に左にと交換される。
路男磨は中高と本格的にやっていた。
麗蘭はこっちに来てから週二回テニスクラブで汗を流す程度と言う。
軽くもんでやろうという気でウォームアップを始めた。
彼女の球がフォアに来た。
それをまたフォアに返す。
いい球がまたフォアに返ってきた。
暫く打ち合った後、今度は球筋をバックに変えた。
これで大体の力量は分かる。
だが返ってきた球は予期せぬほどに強力なトップスピンだった。
「やる!」
路男磨もそれをトップスピンで返した。
「ねえ、試合しない?」
「いいよ」
彼女はラケットを投げた。
ウィルソンのラケットがカラカラと回ってグリップエンドのロゴがWを指した。
「ウィマンね。私のサーブでいい?」
彼女は上に着ていたジャケットを脱いだ。
タンクトップからむき出しの肩がライトに反射して、路男磨の目には雪面のように眩しく映った。

彼女はその容姿だけでなくテニスのスタイルも美しかった。
流れるようなサーブ、蝶の舞うようなグラウンドストローク、
バレリーナの様な軽やかなフットワーク。
路男磨は黄色い球よりも彼女の華麗さに気をとられ気付いた時には6-2で呆気なくセットを落としていた。

「ふぅ」
と一息入れ、白いベンチに座った時、黒いベンツがガレージから出て行くのが見えた。
さっきラウンジで話した麗蘭のホストピィアレンツがどこかに出かけるのだろう。
彼らはこちらに気付くと軽く手を振り、大きな門から走り出ていった。
「どう、まだする?」
隣に座っている麗蘭が言った。
空には星が輝き始め、彼女の吐く息がその星の間を白く流れている。
「やるよ。このままでは終われない」
正直言って彼はかなりの疲労を感じていた。
だがひ弱な男とは思われたくなかった。
「よし、本気出すぞ!」
路男磨はボールを掴み勢いよく立ち上がった。

第二セットは路男磨が6-3で取り、第三セットは6-6でタイブレークになった。
〈足が重い…〉
彼はもう限界に達していた。
ラリーでは勝ち目が無いから、徹底的にボレーに出た。
ボレーは半分は決まったが半分は麗蘭の華麗なパッシングショットに抜かれた。
特に彼女の片手バックハンドはピシピシとコーナーに決まった。
タイブレークカウント6-4で麗蘭のマッチポイント。
サーブは路男磨で彼は彼女のバックハンド側にサーブした。
いいサーブだった。
「スライス…」
路男磨は前に動きボレーの態勢に入った。
―とその瞬間麗蘭の手首がくるっと返ってスクエアにボールを捉えた。
目の覚めるような球が路男磨の前を抜け左ラインの内側に落ちた。
プロ並のクロスコートフリックショット。
路男磨は思わず拍手していた。

「楽しかったわ。でも今日のはフェアじゃない。だって路男磨はオウンラケットじゃないし、服装だって靴だってテニス用じゃないもの」
二人はキッチンで麗蘭のつくった蜂蜜レモンを飲んでいた。
随分時間がたったようだったが時刻はまだ八時過ぎだった。
「本当は私が何か作ってあげたいんだけど、それは次。今夜はどこか一緒に食べに行かない?」
路男磨は頷いたが、不思議な事に腹は全く減っていない。
その代わり何か胃液の逆流するような興奮を覚えていた。
疲労の限界を超えたようで神経が触れば切れるほどに冴えている。
「あ、私着替えなきゃ。そうだあなたに見せたいものがあるの」

麗蘭に続いて階段を上る。
路男磨の前に白いスコートが揺れ、その下のアンダースコートが彼女が階段を一段上るたびにのぞいた。
彼は視線をそらしたが息苦しくなって唾をゴクリと飲み込んだ。



挿絵 By 茨城在住の妹(東京芸大、同院卒)
私のイメージとは少し違うがまあいいだろう。
妹よ!お前の兄が求めているのは、一目見れば下半身がゾクゾクするような絵だ。
大学とやらの“お絵かき教室”から脱皮せよ!
人間の心の奥底に秘められた、誰にもいえない欲望…それにうったえるのだ。

sasie-fuzii2-syukusyou_convert_20111028154259.jpg
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ハッピィーパパ #KedkrxYY|2011/10/28(金) 12:55 [ 編集 ]
こんにちは
先日 パパブログに励ましのコメントいただき
ありがとうございました
ちょとした理由でブログを削除することになり
コメントも消えてしまいました
本当に ごめんなさい

これからも よろしくお願いします
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