笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
http://melozy.blog.fc2.com/ presented by おーあお

プロフィール


おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


最新記事



カテゴリ



最新コメント



最新トラックバック



月別アーカイブ



カレンダー


09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


全記事表示リンク


全ての記事を表示する


スポンサーサイト

--/--/-- --:--|スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ワーホリの覚醒-英語学校6

2011/10/06 16:50|連載小説ワーホリの覚醒1TB:0CM:0
土曜日。空は快晴だった。
いつもと同じようにセントラルの駅まで行き、そこから乗り換えてブルーマウンテンの玄関口カトゥーンバへ向かう。
電車で西へ2時間。
市街地を抜け、放牧地を過ぎ、今窓の外には緑の丘陵地が流れている。
平坦なオーストラリアにあってはどこか懐かしい日本を感じさせる景色だった。

路男磨の隣には望詩が、向かいには貫斗と幸が並んで向かい合う形で座っている。
「ねえ、何でブルーマウンテンっていうか知ってる?」
望詩がウキウキと尋ねたが誰も反応しなかった。
皆の顔には「どーでもいいよ」と書いてあるのだが彼女は黙らない。
「ユーカリの木がオイルを発散してさ、それが太陽に反射して青く見えるんだって」
「へ~え」
3人とも余所見をしながら気の無い相槌をうった。
「じゃあさ、何でスリーシスターズっていうか知ってる?」
おそらくホストファミリーにでも聞いたのだろう、望詩はさっきからその又聞き知識をひけらかして憚らなかった。
彼女はそこにはロープウェイがあるとかトロッコがあるとか、克明に説明する。
3人とも白けた顔をしている。
ものには何事も限度がある。
誰も楽しみにしている映画のストーリーを必要以上に知りたくは無い。
「スリーシスターズゥ?そりゃあ、3人の美人姉妹が山賊に追い回されてさ、その岩の手前で犯された挙句に絶壁から逆さ吊りにされたからさ。嵐の夜は谷間をわたる風が三姉妹の悲鳴に聞こえるって言うぜ」
黙らせる目的で路男磨はそう言った。
「え、あたしの聞いたのは違うわ。怒ったアボリジニのお父さんが3人の娘を魔法で岩にしちゃったのよ!」
望詩は、真剣な眼差しで抗議した。
「いや、それは政府が観光用にでっち上げた大嘘さ。第一魔法が使えるならブーメランはいらない」
そう言えば…という仕草で望詩は指を分厚い下唇に当てた。
「本当の事教えてくれて有難う。これからはみんなにそう伝えるわ!」
彼女は目を輝かせて言った。

その後も望詩は話し続けた。
オーストラリアに来た理由とか、これからどうするとか、好きな食べ物は何かとか…。
望詩のはしゃぎようはちょっと異常だった。
〈これまで、友達がいなかったんだ…〉
彼女の話は詰まらないが、路男磨は窓の外を眺めつつも、時折適当に相槌をうったり、笑ってあげたりした。
その都度彼女は、今までに見せた事の無いような笑顔を路男磨に向けた。
向かいの貫斗と幸は望詩を無視して二人だけの会話を楽しんでいた。

やがて列車は小さな山間の駅カトゥーンバに着いた。
ここは終点では無いが殆どの乗客が下車する。
路男磨達以外にも日本人が結構目に付くが、登山靴を履いたヨーロッパ系の旅行者も多かった。

駅からバスに乗りまずシーニックワールドに向かう。
スカイウェイのチケットを買い、列に並ぶ。
季節は冬であったが週末のせいか人は多い。

4人は谷間にかかったロープウェイの中にいた。
当時このロープーウェイは、一見、落ちる?と不安になるほどに頼りなげであったが、中には満員電車に近いほどの人数が詰め込まれていた。
谷間にぶら下がった金箱からの景色は素晴らしい。
天気もよく群在するテーブル状の岩山が遠くまで見渡せた。
「わぁ~本当に青いわねぇ」
望詩が歎声の声を上げた。
「青?どー見ても緑だろ?」
路男磨は眼下に広がる明らかに緑色の森林を眺めている。
「遠くを見て見なさいよ。青く霞んでるじゃない」
望詩はずっと遠くの背の低い岩山群を指差した。
まあ、気持ち青いと言えば青いだろう。
ところで路男磨はその山が青だろうが赤だろうがどうでもよかった。
それよりもすぐ隣に立っている髪の毛の茶色い女の子がさっきからずっと気になっている。
染めているようには見えない。
彼の目は景色もそこそこに、その彼女の秀麗な横顔に釘付けになっていた。
一見、雰囲気は日本人である。
だが、鼻はスキッと高く、目は大きな二重で色は緑だった。
肌の色も幾分か白く見える。
年齢は同じくらいか。

彼女はオージーの女の子と二人で来ているようだった。
その子も目を見張るほどに可愛いが、路男磨を刺激するものではなかった。
やはり彼はアジア人、もしくはその系統にしか反応しないらしい。
〈声をかけようか…〉
とも思ったが中は息が詰まりそうでとてもそんな雰囲気ではない。
その彼女がふと視線をこちらに向けた。
至近距離で目が合った。
ドキッとして、慌てて視線を遠くの岩山に向けた―。


スリーシスターズと金箱
towns_45419.jpg


スポンサーサイト
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック:
トラックバック URL
http://melozy.blog.fc2.com/tb.php/373-8b08654c

検索フォーム



おすすめ記事



フフフ、この謎が解けるかな?


良い習いは地歩地歩

人気ブログランキングへ にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ


リンク


このブログをリンクに追加する


RSSリンクの表示



QRコード


QR


 |  未分類 | メルボルンライフ | メルボルンのニュース | オーストラリアの風俗 | オーストラリアのニュース | オーストラリアの日本関連ニュース | オーストラリアの株、不動産ニュース | おーあおの不動産売買 | 自閉症関連ニュース | 自閉症.AUTISMの真相 | 調査捕鯨 | 海外から見た日本の領土問題 | 面白人間 | 腰抜け物語 | 下痢腹男の苦闘シリーズ | 私立探偵中出好男 | 中年ボロボロフリーターの日記 | 連載小説ワーホリの覚醒1 | 連載小説ワーホリの覚醒2 | 連載小説ワーホリの覚醒3 | 連載小説ワーホリの覚醒4 | あしたのペニ子 | 世界のニュース | 観光関連 | 宇宙関連 | 医療関連 | 教育関連 | ウチの猫 | 国際結婚 | 言語関係 | メラちゃんのジュエリーマーケット | 絵画 | 豪の鳥 | 豪の動物 | 豪の食いもん | サバーブ遊歩日記 | 家の修理 | これから豪に来る人の為に | テニス | ゴルフ | Japanese News (Australia related) | Reserch | おーあおの株取引 | 
Copyright(C) 2008All Rights Reserved. オーストラリアの青い空
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への軌跡.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。