笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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ワーホリの覚醒-シドニーの風3

2011/09/05 23:39|連載小説ワーホリの覚醒1TB:0CM:0
前面の港にはフェリーが行き交い、左手にはハーバーブリッジ、右手には白亜のオペラハウス―観光案内で何度も見た写真が広がっていた。
路男磨はオペラハウスに向かって歩いている。
回りには観光客やら大道芸人やら、ここも雑多な人種が混在している。
ふと水辺に目をやるとそこには後姿がえもいわれぬ程に魅力的な黒髪の少女が立っていた。
冬なのに薄着でレモン色のワンピースが目に眩しかった。


「美しい…」
路男磨はうっとりと彼女に見とれ、夢遊病者のように彼女の背に近付いていった。


「とうとう来ちゃった。しかも一人で…あたしって凄い事してるんだ…」
野藻望詩(ボウシ)は遠くを見つめる仕草で長い黒髪をかきあげた。
「これからあたしの新しい人生が始まるの。こうしている今も白い王子様があたしを見つめているんだわ」
と彼女は波止場の石壁の上に肘を付きその上に弛んだ顔を乗せた。
この石壁は座れるようにもなっていてその背もたれの部分に顎を乗せた彼女の姿は丁度あの時のバックの態勢と同じであった。


「おうっ…」
路男磨は自分に向かって突き立てられたその部分に思わず声を漏らした。
レモン色のスカートにくっきりとパンツのラインが浮かんでいる。
それがプリンプリンとまるで自分を誘惑しているように左右に揺れている。
彼の股間は反応し、その垂涎の桃尻に誘引されていった。

〈いかんッ〉
桃尻が目前に迫った時、彼はふと我に返った。
今日の彼は昨日の朝の彼とは違っていた。
昨日は4日間殆ど寝ていない状態であった。
出国寸前は毎晩送別会。
それに几帳面な所のある彼は飛行機の中では殆ど眠れず、
意識は朦朧としていた。
彼は寝不足になると、トゥーレットシンドロームに似た症状が出る事があった。
突然変な事を口走ったり、奇怪な仕草をしたりする。

また酷い場合は夢の世界に入り込んでしまい周囲が全く見えなくなる事もあった。
その場合、彼の自制心は無いに等しく、体だけが勝手に動作する。
過去には交差点で突然傘を回して歌いだした事もある。
俗にバイポーラーディスオーダーとも呼ばれているが、彼は診断を受けたことは無い。
小中高と規則正しい生活をしている頃は殆ど出なかった。
それが大学に入り無理してアルバイトをし、不規則な生活をするようになってから目立つようになっている。

平常心が戻り、茫洋とした記憶を辿る時
「俺はその内とんでもない犯罪を犯すのではないか?」
と不安に怯える事もある。

昨夜は、決して寝心地のいいベッドではなかったが良く眠った。
そのお陰で今日は自制が効いている。



「ああ、白い王子様―貴方は今何処? あたしはここにいるのに…なぜ?なぜ迎えにきてくれないの?」
望詩は向かいに聳えるハーバーブリッジをぼんやりと見つめながら呟いた。
その時少し先の港外を大型の高速ボートが走り、その波が波止場を洗って跳ねた。
「キャッ」
望詩は可愛い声を出し、スカートの裾を押さえて石壁の座部から飛び下りた。
と―同時に、すぐ後ろに立っていた男にぶつかった。
体が密着し、彼女は彼の腕の中に抱かれる形になった。
〈もしや、王子様…〉
彼女は期待に潤んだ目をもって密着した男の顔を見上げた。


「ぐうぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
路男磨は心臓が止まりそうになった。
今までこれほど後姿と前姿にギャップのある女を見たことがなかった。
その顔を見た瞬間、反射的に路男磨は望詩を突き放していた。
飛ばされた望詩は石壁にぶつかって倒れた。
「な、何するのよっ!」
彼女は日本語で叫び、下から路男磨を睨みつけた。
「すまない…君が美しすぎたから…」
彼は心にも無いことを言った。
「あら、そんな…」
その一言で彼女の怒気は溶けた。
彼女は熱い視線で路男磨を見つめていた。

路男磨はジョージストリートを街の中心に向かって歩いている。
さっきの衝撃がまだ脳裏から離れない。
「なんだったんだ、あの妖怪は!?」
彼は口直しに道を行きかう女を意識して凝視した。
そこには右を見ても左を見てもテレビで見る以上の美女がウヨウヨしている。
しかも彼女達と目が合うと、みんな「ニコッ」と微笑み、中にはウインクしてくれる者もいた。
確かに綺麗…ではあるし、幸せな気持ちにもなれる。
だが、路男磨は彼女らに性的魅力を全く感じなかった。
さっき、あの妖怪の後姿に感じたようなムラ気、その脳髄を刺激する興奮が全く無かった。
「俺はもしかしたらアジア人にしか反応しないのかもしれない…」

ふと前を見ると日本人らしい二人連れの女が歩いている。
彼の視線はまたその後ろに吸い寄せられていった。

sydney-opera-housechair.jpg
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