笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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メルボルン私立探偵 中出好男-消えた鉄人2

2011/07/17 20:54|私立探偵中出好男TB:0CM:0

彼はホームレスだが車は持っている。
以前、車のリア ウインドウに怪しい張り紙をし、予想通り女性ドライバーがエンジンをかけた後にその張り紙に気付き、降りてきてそれを剥がしている時に素早く座席に滑り込み盗んだものだ。
今彼はその車からスクリュードライバーを取り出し、さっきのスキンヘッドの車に向かっている。
「フン、アホが…」
案の定スキンヘッドの車のナンバープレートは普通のネジで止まっていた。
好男はそのナンバープレートを素早く外すと自分の車に着け、フリーウェイのガソリンスタンドに向かった。
そこにはトラッキー用に誰でも使えるシャワーの設備もある。
「俺の新たな門出だ。きれいさっぱりして迎えるぜ!」
人生の目標を見付けた彼の頭脳は冴えその行動は颯爽としていた。

ガソリンスタンドについた彼はまずシャワー室に入った。
そこにはトラッキーが忘れていったと思われる剃刀や石鹸があった。
「おお、運もついてきたぞ!」
剃刀は錆び、石鹸には陰毛が二、三本ついていたが好男は気にしなかった。
彼は鼻歌を歌いながら、その剃刀で伸びきった髭をそり、石鹸で体中を洗った。 
久しぶりに清清しい気分で、ガソリンを満タンにすると、もちろん料金を払わずに走り去る。
ナンバープレートは変えてある。つかまる事等まず無いし、もし捕まって務所行きになれば暫くの間飯の心配をしなくてすむ―好男にとって憂いは何も無かった。

その日の夜―また好男はそのショッピングセンターの駐車場に戻ってきた。
ここにはコミュニティービンと言うものがあって、人々は古くなった衣類をそのビンに寄付する。
中には新品と変わらないものもあり、高級スーツもあった。
好男の狙いはそれである。
夜10時―彼はそのビンの南京錠をボルトカッターでぶち切り中を漁った。
予想したとおりスーツやワイシャツ、ネクタイも数本あった。
暗くてよく見えないがなかなかいいもののようだ。
「よし服はこれで良し」
着々と準備が整っていくのに気をよくした好男はその夜はそこで車の中にスヤスヤと眠った。

次の日の朝、好男はJBHIFIという電気屋に入った。
ここには今彼が欲しているものがほぼ揃っている。
だが中にはセキュリティーが立ち、目を光らせている。
仕方なく彼はオフィスワークスに向かった。
ここはJBHIFIと違ってセキュリティーはいないが客もおらず、店員数の方が客より多く見通しも良すぎる。
〈どうもやりにくいな〉
仕方なく店を出た好男は、今度はK-Martに向かった。
ここには大した物は揃っていないが携帯電話は置いてある。
客数も程々で店員は馬鹿そうなのが多かった。
〈ここでいいや〉
そう決断すると好男はプリペイド携帯の箱をガバと開け中を取り出すとSIMカードを挿入してからポケットに捻じ込んだ。
周りは誰も気付かない。しかもこのアイスルに限ってカメラもついていない。
気を良くした好男は、一つでは心もとないのでもう一つ同じ事をした。
小さな携帯と充電器だけがポケットに入っているのでふくらみは小さい。
堂々とそのまま普通に店を出る―出口にセキュリティーがいたので軽く手を振ってやると向こうもニコリと笑みを返す。アホだ。

さて一つ決定的に足りないものがある―金だ。
今まで金等なくても生きていけると思っていたし実際生きてきたが、商売を始めるとなるとそうはいかない。
彼は街へ出た。
バークストリート―ここはメルボルンの街の中心地でトラムは走っているが歩行者天国だ。
そこに大きながま口の置物がある。
その前に、
「ストップ ザ ハラキリ」
と書いたたて看板を出した。
その上にクッションを敷き、裸になるとコミュニティービンで見付けた空手着の上を羽おり、ゴミ捨て場で拾った刀を前に置き、これも拾った白粉を顔面に塗りつける。
長く伸びた蓬髪を肩まで垂らし、好男はがま口の上に腹を突き出し、胡坐をかいて座る。
彼は乞食であるが小太りで腹が出ている。
ついでに触れておくと顔は横に広く鼻が低くえらが張っている。
一言で言うならブ男で女にモテル顔では無いが、どこか妖しい魅力があった。
その平面ヅラが白装束で悲痛な表情を作り、がま口の上に座っている。
一目見て異常な光景だ。
彼の周りにはあっという間に人だかりが出来た。
その人だかりを前に好男は瞑想し、静かに腹を二度三度と撫でた。
〈もう十分だろう〉
周りにぎっしりと輪になった人息を感じて彼は細い目をくわっと開けた。
そのまま涙がにじり出てくるまで耐え、瞬きをしない。
やがて細い目からツーッと一滴の涙が…。
そのままの姿勢でゆっくりと右腕を前に伸ばし膝の前の刀を取り上げる。
そして…
「きいいみいいがあああよおおわあちいいよおおにいいいやああちいいよおおにいい…」
と世界一暗い国歌を坊主がお経を読む様に声をのどの奥から絞り出して唄った。
するとどうだろう―人々は魔法にかかったようにがま口の前の小さな木箱に金色のコインを入れていくではないか。
しかも中には涙を流して札を入れるものもある。
薄目でそれを見ていた好男は、札が入るたびに「うむ―」と鷹揚に頷いた。
〈そうだもっといれろ!お前らは騙される為にこの世に生を受けたのだ!〉
君が代の効果は絶大だった。これがアメリカやロシアの国歌では売り上げに大きく響いただろう。

好男はそれを数日続けた。
その内に市役所から役人が駆けつけてきて彼にイチャモンをつけた。
何でも街の風紀上適切では無いという。
「なにっ!」
好男はギロリと細い目で役人達をにらむと眉をぴくぴく痙攣させ、
「許さんッ!」
と目の前の刀をギラリと抜いた。
役人は恐れをなして逃げ出したが同時に彼の切腹募金も終了した。
しかし、売り上げは上々である。
差しあたっては十分な資金が出来、彼は夢の現実に一歩近付いた。
≪つづく≫
MK寄稿
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