笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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ワーホリの覚醒3色違いのチェリーブロッサムズ20

2013/01/28 22:49|連載小説ワーホリの覚醒3TB:0CM:0
二月に入り、やっと映画の影武者から解放され、ほぼ半年住んだ乗馬学校を去る日が来た。
その日、ヒラリーとオリバーは車で駅まで送ってくれた。
オリバーは最近退院してきたばかりで、まだ松葉杖をついている状態だが、わざわざプラットホームまで上がってきてくれた。
ヒラリーはその彼を支えるようにして歩いている。
彼女はやはりオリバーの前では貞淑な妻で、路男磨にたいしても思わせぶりな素振りは一切しなかった。
遮断機の音が聞こえ、4両連結の野暮ったい列車がホームに入ってきた。
「馬に乗りたくなったらいつでもウェルカムじゃ」
と言って差し出したオリバーのごつい手を路男磨はしっかりと握り、これまで世話になった謝意を伝えた。
「元気でね。スターになるのよ」
ヒラリーは路男磨の頬にそっとキスをした。
彼女の目に涙が浮かび、一粒二粒と頬を伝って流れ落ちた。
「また来るよ、きっと…」
路男磨も彼女の頬にキスを返して電車に乗った。
ドアが閉まって、電車が動き出した。
路男磨は二人に手を振った。
オリバーもグローブのような手を上げ、ヒラリーも左手で目頭を押さえながら右手を振った。
「ああ、これで彼らともお別れか…」
とその時…ヒラリーの左手が下がり、意味ありげに臍の下の辺りを円を描くように撫でた。
〈何だろう…腹でも痛むのか?〉
路男磨は、慌てて駅の裏側の公衆トイレを指差し
「駅にトイレはあるぞー!」
と窓越しに口を動かした。
彼らは常に車だから駅のトイレの事は知らないのかもしれない…と咄嗟に思ったのだ。
その路男磨にヒラリーはおもむろに頷き、涙に濡れた目でウインクした。
どうやらわかってくれたようだ。
路男磨もニコリとしてウインクを返した。
「漏らすなよヒラリー…」
それが路男磨をこよなく愛してくれたヒラリーへの最後のメッセージとなった。
〈さらば乗馬学校、さらばミタゴン、出会いがあって別れがある、縁があったらまたどこかで会おう…〉

路男磨は座席に腰を下した。
車窓には茶褐色の丘陵が続いている。
暑い日が続き、雨も長い間降っていないから草木はカラカラに乾燥していた。
その景色は春先の瑞々しい緑とは対照的で、見ているだけで喉が渇きそうだが、路男磨の心には春の潤いが蘇ろうとしていた。
「やっと麗蘭に会える…」
彼女とはあれから何度か電話で話した。
日本から戻ってきてすぐの頃は沈んでいた彼女の声も最近は大分明るくなっている。
真冬の日本から真夏のシドニーへ…その真っ青な陽気のせいもあるだろうが、最近いい部屋が見付かってからは本来の落ち着きを取り戻しつつあるように感じられる。

麗蘭は、部屋探しには随分と苦労したらしい。
彼女は住んでいた高級マンションを一ヶ月以内に出なければならなかったが、大学周辺で安い物件は競争が激しくなかなか見付からなかったと言う。
新聞や大学の掲示板でまずまずの物件を探しては、アポを取って下見に行ったそうだが、ゴミ箱並に汚かったり、犯されそうになったり、またタダでいいからとしつこく言い寄られたりもしたらしい。
それに懲りて、日本人ならば清潔で極悪人はいないだろうと思い、日系コミュニティー紙で探したところ、好条件のシェア物件が見付かったとのことだった。
場所はアナンデールで大学まではバスで五分、家賃は個室家具付き光熱費込みで週$70という。
当時としてもそれはべらぼうな安さだった。

それはいいのだが、路男磨は彼女のシェアメイトが男で、その男と2LDKのユニットに二人だけで同居するというのがどうにも気に入らなかった。
できる事なら、自分がアパートを借りて麗蘭と一緒に住みたかったが、預金の底をついた彼にそれは出来ない。
それどころか彼はシェアすら出来ず、シドニーでは先にシドニー入りしているクレイグのバチュラーユニットに居候させてもらう事になっていた。
そういう事情であるから、麗蘭に「男とシェアするな!」と強くは言えなかったのだ。

ただ彼女はその路男磨の気持を察し、安心させるかのようにシェアメイトは男性だが、路男磨の知己であると言った。
「アスオか?」
と聞いたが、彼女は否定し、名前は教えてくれず、会ってからのお楽しみ―と含んだ声で言った。
「誰だろう?」
と思い巡らせると心当たりが一人浮かんだ。
通っていた英語学校の一番上のクラスに東大卒がいて、その彼がシドニー大へ行くと言っていたのを思い出したのだ。
彼は大学の近くに引っ越すといっていたから、まず間違いは無いであろう。
そのインテリとは二度ほど一緒に飯を食った事がある。
東大生のご多分に漏れずかなりの変人ではあるが、悪人とは思えなかった。
とはいえ彼も男である。
当時、日本に草食系男子などと言うこと言葉はなく、男はみんな肉食だった。
またセクハラと言う言葉もなく、会社の忘年会や新年会では酔った男性社員が若い女性社員の胸や尻を触りまくっていた。
つまり、その頃の日本男子は普通にやる事しか考えておらず、その肉食獣とうら若き女性が同じ屋根の下に住むのはやはり危険といえた。
よって路男磨は「手を出したら殺す!」と一言伝えに、シドニーに着き次第麗蘭の新居に押しかけるつもりでいるのだった。
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ワーホリの覚醒3色違いのチェリーブロッサムズ19

2013/01/19 18:05|連載小説ワーホリの覚醒3TB:0CM:0
「おっと…」
路男磨はカメラのコードに躓き、その拍子に股間を押さえていた手が泳ぎイチモツが露出した。
そのイチモツをヒラリーの熱い視線が凝視している。
彼女は既に素っ裸でベッドの上に座っている。
路男磨はもう隠すのが面倒くさくなって前を放り出したまま、カメラや照明スタッフの横を抜けヒラリーの待つベッドへと歩いていった。

ここは乗馬学校校舎のヒラリー夫妻寝室である。
部屋はホールのように広く真ん中に大きなキングサイズベッドが置かれてある。
壁には普段ならオリバーとヒラリーの一緒に写っている写真フレームがかかってあるのだが、今は取り外されていた。
ヒラリーの夫であるオリバーはこの撮影に立ち会っていない。
彼はまだ腰部手術後の経過が思わしくなく病院に入院している。

部屋には撮影スタッフが全員男であるせいか異常な雰囲気が漂っていた。
いつもならコスチュームデザインの女性とそのアシスタントがいるのだが、今日は裸のシーンが主であるから来ていないようだった。
今部屋にいる女と言えばヒラリーとオリビエだけである。
だがオリビエは下着をチラッと見せるだけの自分のパートを終え、今は服を着てカメラの後ろに下がっている。
だから誰も彼女を気にしていない。
代わりに撮影スタッフの全視線はヒラリーに集中していた。オハヤ逮捕の後監督代行を務めるトーマスもまた彼女を食い入るような目で見ている。
彼は大きなロッキングチェアーに腕を組んで座り赤ら顔を一段と赤くしていた。
他のスタッフも概ね変わらない。
オージーは顔を紅潮させ日本人の輪戸亜と通訳は鼻の穴を膨らませている。
室内には彼らの唾を飲み込む音と鼻息のオーケストラがあやしいBGMとなって流れていた。
そのくらいヒラリーの裸は魅力的だった。
彼女は背が低い。
そして華奢なのに出るところは出ている。
男なら誰でもむしゃぶりつきたくなるような体つきだった。

路男磨は彼女の横に座った。
二人とも一糸纏わぬ丸裸である。
布団は無い。
AV男優のような気分だが、もう後へは引けない。
路男磨は大きく深呼吸した。

「シュート!」
トーマスの采配が振られた。
リハーサルと同じようにヒラリーに覆いかぶさりキスをする。
カメラは斜め後ろから二人を捉えている。
二人とも斜めからのアングルが主演の輪戸亜とオリビエに最も似ているらしい。
その為、今日は影である二人の顔にも重たいほどのメイクが施されていた。

路男磨の唇がヒラリーの赤い唇に触れたとき、路男磨の首に回した彼女の腕にぐっと力が入った。
と同時に彼女の舌先がチュルチュルと路男磨の口を割った。
〈おい、違うぞ…〉
だが、トーマスからのストップはかからない。
路男磨は仕方なく続行し、充分舌を絡めた後、彼女の豊満な胸に口を移した。
このシーンは予定通りである。
路男磨が唇をヒラリーの胸の辺りに這わした後、わざとらしく腰を振って終了なのだが、しかしここでまた彼女の腕に力が入った。
路男磨の顔は豊満な胸に押し付けられ窒息しそうになって口を開けた。
その口にヒラリーは赤っぽい乳首をぐっと押し込む。
口の中はヒラリーのおっぱいでいっぱいだ。
もう本当に舐めるしかなかった。
路男磨は狂ったように右を舐め、左を揉んだ。
そのやはらかい感触は童貞の彼には刺激が強すぎた。
舐めているうちに意識が朦朧となり全ての血液が股間に集中した。
ピーッという音が響き、頭の中が真っ白になり周りが見えなくなった。
彼の首がガクンと揺れた。
極度の緊張と初めての女体が、彼の持病を再発させたのだ。
彼は彼で無くなった。
かつて麗蘭を押し倒した時と同じく一匹の野獣と化してしまったのだ。

だがヒラリーはその野獣を大歓迎した。
リハーサルの内容はこの時点で大きく変更していたが監代トーマスはじめ全スタッフは固唾を飲んで見守り、カメラは二人を捉え続けていた。

さすが人妻ヒラリーは最初ぎこちなかった路男磨を上手くリードした。
今や彼は腰を振り乱し童貞とは思われぬ攻撃をヒラリーに加え続けていた。
路男磨の男は右に左に時には円を描き縦横無尽にヒラリーの中で暴れまくっている。
「す、すごいわローマ、ステキよ、もっと、もっとおおおおお…」
ヒラリーの喘ぎ声は壁に響き、跳ね返って部屋中にエコーしていた。
その声が路男磨の野獣魂をさらに燃え上がらせる。
「うおおおおおおお」
雄叫びと共に腰の動きがさらに早く激しくなった。
下半身から湧き上がってくるえもいわれぬ快感―その快感が脳髄に早鐘となって響く―
「あああローマ…ギィミィィィーッ」
ヒラリーの体が激しく痙攣し結合部が熱と化した。
その熱が路男磨の男を一層狂奔させる。
もう先からはマグマが止め処も無くあふれ出していた。
「ぐうおおおぉぉぉ…」
彼は思いっきり腰を突き出し、顔を歪め大噴火した。
「どびゅびゅびゅびゅあああああああああ!!!」


「素晴らしい演技だったぞ!」
何故か前屈みになったトーマスが路男磨の肩を叩いた。
彼はふっと我に返った。
記憶は無い。
だがこのシーンの撮影は大成功に終わったようだ。

ワーホリの覚醒3色違いのチェリーブロッサムズ18

2013/01/11 20:32|連載小説ワーホリの覚醒3TB:0CM:4
翌々日、ボクシングデイ明けで世間はまだ屠蘇酒に酔っている状態であったが、乗馬学校では緊急会議がもたれていた。
大柄で赤ら顔のプロダクションマネージャー トーマスがスタッフをを前に状況を説明している。
「ホテルのワードローブの中から隠しカメラ、並びバッグに入ったこれまでのロリコレが押収されたらしい。彼は当分くらいこむだろう」
オハヤの逮捕は日本でもトップで伝えられ早くも全てのスポンサーが撤退を表明していた。
よって撮影は7割方終わっているにもかかわらず、このままだと資金切れで継続不可能であるらしい。
第一誰がオハヤ監督に変って指揮をとるのか。

事態は深刻である。
が、「困った…」と言った顔をしているのは日本人スタッフだけで、オージースタッフはむしろあっけらかんとしていた。
あまり深刻に悩まない民族性らしい。
「で、これからどうすんだ?続けられるのか?」
スクリプトスーパーバイザーを勤める男が世間話のように言った。
「もちろんだとも!」
トーマスはダンと拳の腹でテーブルを叩いた。
「でも金がねえじゃねえか。ちゃんと払ってもらえるんだろうな?」
この男は今回の撮影に限り他所から引っ張ってきたコントラクターだ。
従って路男磨達と同じく報酬はまだ支払われていないはずだった。
まあまあ―というふうにトーマスはその男を手で制した。
「このままだと撮影は頓挫する。そこでだ―」
トーマスはゆっくりと全員を見回し、
「指揮はワシがとる!そしてストーリーを変えるのだ!」
と高々に宣言した。

彼曰く、この映画は主演の知名度に頼ったチンケなストーリーで世界的にはうけないらしい。
確かに路男磨もアンチクライマックスと思っていたし、観光客誘致が目的という割には対象年齢はどう考えても18歳以下だった。
それについて、トーマスはオハヤを監督にした以上それは仕方なかった―と皆に説明している。
これまではそれでよかった。
なぜなら出演者のギャラとスタッフの報酬はスポンサーによって保証されていたからだ。
だがスポンサーが離れた以上今後は借金で続けるしかなく、その借金を払う為には映画自体が爆発的に売れなければならない。
その為に内容を変えると……しかし一体何を?

トーマスはゴホンと大仰に咳払いした。
「そこでだ。ヒディとオリビエに脱いでもらう!いや脱ぐだけでなく実際にからんでもらう!」
ギラリと目を開きトーマスは輪戸亜秀押とオリビエを交互に見た。
「それは困るわ。あたしは清純派で売り出してんだから…」
オリビエは即座に否定した。
「俺は…別にいいんだけど…事務所がな…」
輪戸亜はまんざらでもなさそうに日本語で言った。
それを通訳が英語に訳す。
「フフフ、最初から君らには期待してないさ。君らは途中まででいいんだ。だから脱がなくていい。実際に脱いでからむのは…」
トーマスは路男磨の方に顔を向けそして次にヒラリーを見た。
路男磨の背筋に一瞬悪寒が走った。
トーマスは再び全員を見回し
「影武者の二人だ。試写会の後世界各国の芸能誌はオリビエのファックシーンと書きたてるだろう。その辺は、明答せず曖昧にしておく―。すると世界中のスケベがそれだけでわっと見に来る。
だが実際はオリビエの裸でもなく輪戸亜でもない、無名の二人だ。そして十分売り上げてからあれはオリビエでも輪戸亜でも無いと公表する。だがロオマとヒラリーの名前は出さない。だから誰の裸かわからない。つまり誰も傷つかず、映画は名作として語り継がれ、金も儲かると言う天才的なアイデアだ!やってくれるな?」
とまたトーマスは路男磨とヒラリーを見た。
「いやりますっ!素晴らしいアイデアです。命がけでやりますっ!」
そう言ってガバッと立ち上がったのはヒラリーだった。
顔が真っ赤に高潮し、はちきれそうな胸の前で結んだヤル気こぶしがブルブルと震えていた。

〈オーマイガ…〉
路男磨は頭を抱えていたが、この際仕方が無い。
映画が頓挫すれば金が入ってこないのだ。
〈ここは我慢して裸になろう〉
彼は承知した。
もっとも裸になってそれらしく絡むだけで実際に挿入する必要は無いとのことだった。

ワーホリの覚醒3色違いのチェリーブロッサムズ17

2013/01/07 00:00|連載小説ワーホリの覚醒3TB:0CM:2
夜、シーンとした寮舎にニュースキャスターの声だけが異様に大きく響いていた。
路男磨とクレイグは昨夜の残り物で夕食を済まし、テレビを見ながらこれも残り物のケーキを食べているところだった。

「あ、今速報が入りました。映画監督のザッキーオハヤが逮捕されたとの事です。え~場所はシドニーアナニッコホテル。罪状は未成年との性行為。つまり淫行だそうです。今現場のダレン ヒンチッチに変わります。ダレンさん―」

「え?」
路男磨とクレイグは一瞬顔を見合わせテレビのモニターに見入った。

「はい、今オハヤ監督がホテルのフロントから出てきます。警官に連行され、あ、手錠をかけられてますねえ。ザッキー、ザッキー今の心境は?14歳の少女とやったと聞いてますが本当ですかっ!?」
レポーターのダレン ヒンチッチは口が悪いので有名だった。
その彼が警官の間に割って入ってオハヤにマイクを向けている。
そのマイクにオハヤは噛み付くようにして叫んだ。
「ぼ、僕は間違った事はしていない。法律が間違っているんだ!」
相当頭にきているのか動揺しているのか、薄ハゲの間から覗く頭皮が茹蛸のようになり、汗がテカテカ光っていた。
「法律が間違っていると!?」
ヒンチッチが仰々しく聞き返す。
「そうだ!なんで18歳じゃなきゃいかん!初潮とインモー、すなわち大人の証!虫なら成虫だ!人間だけだぞ、自然の定理に逆らっているのは!」
オハヤは早口にまくし立てている。
その後ろにはエマらしい少女が婦人警官に付き添われて続いている。
顔にモザイクがかかっているがその輪郭からして間違いなくエマだろう。
彼女には手錠がかけられていない。

ホテルのフロントは集まった報道陣と警官でごった返していた。
「監督、今までも未成年と寝まくっていたとの噂がありますが? あなたの映画は常に12歳から15歳の少女が登場する。すべてあなたの餌食になっていると聞いていますが真相は?楽屋の隠し撮りについては? 監督、何か言ってください!監督っ!子供達の夢をぶっ壊すんですかっ!」
ヒンチッチは機関銃のように質問を浴びせマイクの先でオハヤの鼻先をゴリゴリと突いた。
オハヤはやや俯き額から首筋を真っ赤に染めて黙秘している。
カメラのフラッシュがオハヤを稲妻のように襲っていた。
「ほら、どいたどいた」
警官がハイエナの群ような報道陣を押しのけオハヤをパトカーの中に押し込んだ。
エマはその後ろの別のパトカーに乗せられ、二台のパトカーは足早に去っていった。

テレビは次のニュースを伝えている。
だが二人は暫く口をポカンと開けて凝固していた。
「おい…ザッキー捕まっちまったぜ…」
クレイグがボソリと言った。
「映画どうなんだろーな?」
とはいったものの実は路男磨はそれほど驚いていない。
オハヤの作る映画、日頃の言動、仕草、好み、目つき、その全てが彼のロリコンを証明していた。
だからいつかはこのような事態になるだろうと思っていたが、まさかこんな早くに捕まるとは……。

オハヤは自業自得として、路男磨にとっての懸念は映画の方であった。
彼はまだ出演料を貰っていない。
もし途中で頓挫すればどうなるのか?
彼はその金を困窮している麗蘭の為に使うつもりだった。
乗馬学校には格安とはいえ滞在費を払い続けているから貯金もほぼ底をついている。
その金が無いと麗蘭の為に服一枚も買ってやれないのである。

ワーホリの覚醒3色違いのチェリーブロッサムズ16

2012/12/31 00:00|連載小説ワーホリの覚醒3TB:0CM:0
今日はクリスマスである。
だが乗馬学校は閑散としていた。
学校は2ヶ月間の休暇に入り、殆どの生徒は卒業し、馬もホリデーに出された。
馬にホリデー?
と思われるかもしれないが、馬も気分転換に別の放牧地に移さないとストレスが貯まるらしい。
だから牧場もまた閑散としていた。
ただし映画に出演する馬は残っている。
それと同じく人間も映画に出演する者だけがこの寮舎に寝起きしていた。
従って今は路男磨、クレイグ、エマ、それにヒラリーだけが広壮な寮舎にいるだけである。
ヒラリーの夫で校長のオリバーは撮影の協力に張り切りすぎたためか再び持病の腰痛が悪化し、動けなくなって三日前から病院に入院していた。

「あのうるさいのどこ行ったんだろうな…」
キューを握ったクレイグがブレイクの姿勢で言う。
彼は既にプロダクション側と短期ではあるが契約を結んでいて、この映画の撮影だけでなくモデルとしてデビューしていた。
ほんの3ヶ月前、ホモ姦の兄ネイサンとアデレードのボロビルに住んでいた頃とは随分な境遇の変化である。
「さあ…まだ寝てるのかな…」
路男磨は短パンにランニングといったラフな格好で錆びの浮いた鉄製扇風機の前に立っている。
昨夜は撮影スタッフとのパーティーがこの寮舎の食堂で持たれ、遅くまで飲み、起きたのは二人とも昼過ぎだった。
外は真夏の太陽が照りつけ、気温は高地のサザンハイランドでも35度を越え、とてもホワイトクリスマスと言う雰囲気ではない。
ましてこの田舎のミタゴンでは店は全て閉まっているし、用も無いのに蒸し暑い外に出るのも億劫だったから二人はプレイルームでビリヤードをして暇をつぶしていた。

本来ならばこのクリスマスは麗蘭と一緒に過ごすはずだった。
しかし彼女はまだ日本にいる。
同時に両親をなくした彼女…とてもメリークリスマスって気分じゃないだろうなあ…と思いながら白い球を突く。
彼女が弟と一緒に安アパートに引っ越したのまでは聞いている。
そこには電話がなく、彼女は近くの公衆電話からかけてきた。
引越し後彼女からかかってきたのはその一度だけで、以来連絡は途絶えている。
当時国際電話は今とは比べ物にならないほどに高かったから、公衆電話から国際電話一本かけるのにも気を使わねばならぬほど彼女は逼迫しているのだろう―とは容易に憶測する事ができた。

ギイッと音がしてプレイルームのドアが開いた。
「よう、起きたのかい?」
8番ボールを狙うクレイグがその声に背を向けたまま話しかけた。
「メリークリスマス、ロオマ」
そこには、エマではなくヒラリーが立っていた。
彼女とクレイグは仲が悪い。
だから彼女はクレイグを無視して路男磨にだけ声をかけたのだ。
「何だあんたか。エマはまだ寝てるのかい?」
クレイグは馬鹿にしたようにケツを振りながら、白い球をはじき8番ボールをコーナーポケットに落とした。
「エマはね、ここにはいないわ。知らなかったの?」
「ああ、知らないね。昨夜のパーティーの時はいたじゃないか?」
「ウフフ、そうかあなた達酔いつぶれてたからね。あの後彼女ザッキーと一緒にシドニーに向かったのよ。花火を一緒に見るんだってさ―」
「花火?それってニューイヤーだろ?」
クレイグは怪訝な顔でヒラリーを見た。
「知らない。ニューイヤーまでザッキーと一緒にいるんでしょ。あの二人親子のように仲がいいから…」
ヒラリーは他人事のように言った。
彼女はエマとも仲が悪いからむしろいなくなってせいせいしているようだった。
「あ、そうそうロオマ、夕飯の支度手伝ってくれない?」
彼女はがらりと口調を変え、路男磨にほとばしるような笑みを向けた。
「夕飯?昨日のパーティーの残りもんがいっぱいあるだろ。それ食やいいじゃねえか馬鹿だなあ」
横からクレイグが口を挟んだ。
確かにその通りで、朝食時に覗いた大型冷蔵庫の中は、昨夜の残りで隙間も無いほどだった。
ヒラリーは不機嫌な顔で部屋を出て行った。

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