笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
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プロフィール


おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


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ワーホリの覚醒2赤い唇4

2012/07/29 02:00|連載小説ワーホリの覚醒2TB:0CM:1
少し冷たい風が肌に心地よかった。
麗蘭も路男磨と並んで駆け、時々気持ち良さそうに髪を掻き揚げている。
どうやらご機嫌は完全に直ったようだ。
彼女といるとこの毎日見慣れている野山の景色が全く違って見えた。
それはやはり、彼女の体から発散される高貴なオーラのせいだろう。

路男磨は麗蘭と電話で話して以来、自分というものを客観的に見ようとしていた。
19歳。
普通の若者ならば、あれもしたいこれもしたい、あれもできるこれもできると自信に満ち、我が世の春を謳歌しているだろう。
しかし自分は普通ではない。
トゥーレットバイポーラー*という恐るべき持病を持っている。
犯罪者となり、人生の大半を鉄格子の中で暮らすことになる確率も高いだろう。
加えて…人生の目標は無い…。
大学中退。
普通のサラリーマンには向かない。
かといって商才があるとも思えなかった。
弁も立たず、職人気質でも無い。
体力も人並み。
何か資格を…と言っても何がしたいのか、何が出来るのかもわからない。
なるほど、今だけを見れば乗馬学校の生活は楽しいし、乗馬も上手い方だ。
しかしそれが何になる。
上手いと言ってもジョッキーに成れるほどではなく、調教師になりたいというわけでもない。
いわば食につながらない遊びであった。
乗馬はただ単に楽しかった思い出として残るだけだろう。
要するに将来に繋がる事は何もしていない。

―と実は昨夜寝付く前も考えていた。

少し前を走っていた麗蘭が馬をとめた。
路男磨も手綱を引き彼女の横に並んだ。
その彼に彼女はえもいわれぬ笑みを投げかけた。
〈この将来性の無い男のどこがいいのだ?―〉
しかも彼女は持病のことを知っている。
いや、知識として知っているのではなく実体験を通して知っているのである。
以前二人きりの時に持病が発病し彼女を犯そうとした。
本来ならば、それでバイバイだろう。
だが彼女は違った。逆に自分の事を気遣ってくれ、一緒に治療に取り組もうとし、しかも2ヶ月も無視していたのに、それも咎めず、自らこんな山の中へ会いにきてくれている。
〈俺のどこに、それだけの価値と魅力があるのだ?…〉

麗蘭は絵に描いたような令嬢で、彼女の両親もまた社会的に高い地位にあると言う。
それに比して路男磨の両親は平凡な小市民だった。
古い考え方かもしれないが、家柄も釣り合わない。
〈相手が俺じゃあ彼女の両親もがっかりするだろう…いや、きっと大反対するはずだ…〉
麗蘭に返した微笑とは裏腹に彼は頭の中で決心していた。
〈今日で別れよう―〉


その決意を声に出して伝えようとした時、彼女がひらりと馬から降り、膝を折って辺りに群生するラベンダーの花を摘み始めた。
路男磨は虚をつかれ暫くその様子を眺めていたが、自分もまた馬から降りた。
「レイラ…」
彼は彼女の背中に苦しげに語りかけた。

「ほら、いい匂い…」
くるりと振り向いて立ち上がった彼女は手に持っているラベンダーの束を路男磨の鼻先につけた。
「これを枕元に置いて欲しいの。この匂いが消えるまでにまた会いに来るわ。それまではこの花を私と思ってね」
と路男磨の目を見つめ優しげに言った。
路男磨は言葉に詰まった。
その無垢な視線に、「別れよう」と伝える事はできず、「ありがとう」とそれを素直に受け取った。


当時、週末ミタゴンからシドニーへ向かう列車は朝夕の二本しかなかった。
夕闇迫るミタゴンの駅に彼女を送っていく。
陽が丘の向こうに隠れると、辺りは急に寒くなって二人は自然に肩を寄せ、手を握り合って歩いていた。
ほんの半日ほど一緒にいただけなのに、何か一ヶ月も二ヶ月も一緒にいたような気がした。

ホームには誰もいない。
風が吹き抜けて一段と寒く感じた。
昼間もう少しで「別れよう」と言いかけたのに、いざ離れるとなると寂寥の思いが込み上げてきた。
お互いに同じ想いだったのだろう。
握っている手に一層力が入った。
電車の警笛が聞こえて、4両連結の車両が入ってきた。
「じゃあ、また来るから…」
「待ってるよ…」
電車に乗る直前、二人は震える唇を合わせた。
それは麗蘭のファーストキスであり、路男磨にとっても初めての心のこもったキスだった。

麗蘭が過ぎてゆく窓から手を振っている。
路男磨はホームの端まで走り、電車のテイルライトが見えなくなるまでそこに立っていた。


麗蘭の去った後、路男磨は足早に駅のトイレに入った。
麗蘭は一度もトイレに行かなかった。
だから自分だけ行くのは格好悪いと思って実はずっと我慢していたのだ。
用を足した路男磨は手を洗いふと鏡を見た。
「な、なんだこの顔は!!!」
顔の下半分が赤い口紅で覆われ、それが汗で少しハゲ、見るも無残な姿になっていた。
「麗蘭は、この顔とキスをしたのかっ!?」
ガーンと脳天を殴られたような衝撃を受けた。
堪らなくなってまたホームの端まで走った。
線路が夕闇の中に消えていく―。
「レイラ…」
路男間は線路に飛び降りた。
「うおおおお…」
彼はその線路をシドニーに向かって全力で駆けていった。


*トゥーレットバイポーラー : 路男磨の持病。発病するとトゥーレットシンドロームとバイポーラディスオーダーの交錯した態を為す。奇言を吐き、異常なハイテンションによる多重人格症となる。大抵の場合、狂ったレイピストとなる。
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ワーホリの覚醒2赤い唇3

2012/07/21 22:24|連載小説ワーホリの覚醒2TB:0CM:0
寮舎まで歩いてきたがその間会話は弾まなかった。
食堂には誰もおらず中は静かだった。
「コーヒーでも飲もうか?」
路男磨は麗蘭のご機嫌を取るように言い、連れ立ってキッチンに入っていった。
「あ…」
中ではヒラリーが背を向けて林檎の皮を剥いていた。
お尻がプリンプリンと左右に揺れている。
〈もう帰ってきていたのか…〉
と驚いたが
「ヒラリー、フレンドのレイラ―」
と感情を殺した蝋人形面で紹介した。
本当は、ガールフレンドと呼びたかったが、それは基本的に肉体関係のある恋人の事を指す。
だから敢えてフレンドと紹介した。
ヒラリーはナイフを置き二人を見て大仰な笑みをうかべた。
「ハァイ…」
「レイラです」
その時、麗蘭の目が一瞬カチリと光ったが路男磨は気がつかなかった。
〈赤い口紅…赤い髪…間違いない…それに何なのその胸は…〉
麗蘭はタンクトップからはみ出したヒラリーの巨乳に眩暈を覚えそうになった。

「シドニーから来たの。ゆっくりしてってね…」
取ってつけたように言ってキッチンから出て行ったヒラリーはすれ違いざま訴えるように路男磨にウインクした。
路男磨は少し迷惑そうにそのウインクから目をそらす。
〈ヒラリーあれは火傷の治療だったんだ…君もそう言ったじゃないか…〉
その路男磨の表情をインスタントコーヒーを作りながら麗蘭は氷のような目で観察していた。
後ろめたい事があるだけに、その冷たい視線を路男磨は敏感に感じた。
「彼女、若いけど結婚してるんだ…相手は53歳のジジイさ、毎晩バイアグラかな…ハハ…」
言ってからすぐ後悔した。
人のプライベートを笑いものにし、下ネタに走るなどはおよそいつもの路男磨らしくないが、今の彼は何かしゃべってないと落ち着かない気分だった。
「そう…魅力的な人ね。胸も凄いし…」
と麗蘭は自分の胸を見下ろした。
彼女はスタイルは抜群だが胸は小さめだった。
「そ、そんなことないよ。貧乳も悪くないよ…」
「あら、私のこと言ってんの?」
「ち、違うよ、ちっちゃいおっぱいが好きなんだ…」
「小さいのが好きなんてロリコンね―」

―とそこへまだ膨らみかけのエマが現れた。
寝ぼけ眼で路男磨と麗蘭の顔をかわるがわる見つめている。
嫌な予感がした。
最も麗蘭に会わせたくない相手だ。
そのエマが路男磨を見てニッと笑った。
ゾッと悪寒が路男磨の全身を電流のように走る。
「ローマ、朝起きた時一人で寂しかったわ。“フレンド”が来るのなら一緒に迎えに行ったのに…」
「な、何言ってんだよ!一緒になんて寝てないじゃないか!」
「フレンドの前だからって、隠さなくっていいのよ。いいわ、今日一日くらい大目に見てあげる…でも夜はあたしのベッドに帰ってくるのよ」
と彼女もウインクして自分の部屋に引取っていった。
彼女は麗蘭には声をかけず、完全に無視して、ダボダボのパジャマ姿で廊下を歩いていく。
そして、半ばまで行った時―
「キャハハハハハ……」
と狂ったように腹を抱えて笑い出した。

「彼女思春期だから情緒不安定なんだ…ある事無いこと言っちゃって…ハハハ…」
と取り繕ろうように麗蘭を見たが彼女の目は笑っていなかった。
彼女の整った横顔が引き攣っていて、暫く沈黙が続いた。
明らかに彼女は不機嫌だった―。

「帰る!」
その言葉を路男磨は予感した―。
麗蘭は先に立って歩きだし、外へ出た。
路男磨はスゴスゴとその後ろについていく。
やはり帰るのか…と思っていると、くるりと振り返った
麗蘭の美貌からはさっきまでの怒気が消えていた。
「馬に乗りましょう。二人だけで―」
彼女は以前の包み込むような微笑で言った。


午後からは少し風が出てきて、灰色の雲が東に流れ、西には点々と青空が覗いていた。
麗蘭はシドニーのセンタニアルパークで週一回乗馬レッスンを受けているのと、元々運動神経がいいのとで路男磨に遅れをとることは全く無かった。
腕は互角かそれ以上だろう。
風に流れる長い髪、背筋の伸びた華麗な乗馬姿。
朝はどうなる事かと思ったが、こんな美人と二人だけで春の野山を駆けるのは幸甚この上ない気分だった。
二人は馬を横に並べて駆けさせ、なだらかな丘の頂上に立った。
そこからはミタゴンの町とその先に続くサザンハイランドの丘陵が遠くまで見渡せた。
mittagong-36358.jpg

ワーホリの覚醒2赤い唇2

2012/07/14 01:33|連載小説ワーホリの覚醒2TB:0CM:0
「ひ、ヒラリー!」
だがヒラリーは止めない。
その赤い肉棒にゆっくりまったりと薬を塗るように舌を絡ませた。
「これは薬なのよ~。こうすれば痛みは半減、治るのも早いのよ~」
「うっ…」
その初めての感触に路男磨は思わず声を漏らした。
赤い肉棒がピクンとした。
「ほうら効いている証拠…私達は何も悪い事をしてないのよ…ただ火傷の治療をしているだけ…」
ヒラリーの舌使いが一層激しくなった。
さすが人妻だけにそのテクニックは凄いものがある。
それに路男磨はここに来て以来、ズリを殆どしていない。
「あああああ~も~だめだ~」
一週間もズリをしていない若者は同じ19歳の人妻にあっという間にいかされた。
それをおいしそうにヒラリーは口に留め、
「まれるともっろひくのよ~(混ぜるともっと効くのよお~)」
と、しぼみかけた肉棒に唾液と精液のカクテルを膏薬のように塗りつけていく―。
すぐにムクムクと復活した。
この世のものとは思えない気持よさだ…。
「あああ~」
大きく開いた路男磨の口からかすれた声が洩れ、舌の上に再びドクドクと大噴射する。
「はら、くひのはかもやけろひてるはね~ひろーしないと(あら、口の中も火傷してるわね~治療しないと…)」
ヒラリーは立ち上がると両腕を路男磨の首に絡め、赤い唇を路男磨の口に押し付けた。
蛇のような舌が路男磨の唇を割り、上の歯と下の歯をチロチロさせて開き、獰猛に侵入して火傷した舌に絡みつく。
それは路男磨のファーストキスだった。
〈ううう、何だこの味は…〉
キスとはこんなおぞましい味のするものなのかっ!?
彼は人生初のキスで自分の精子を飲まされた―。
ちょっぴり辛い。
しかしその味はすぐ喉の奥へと流れ去り、代わりにヒラリーの唾液が蜜のように注がれてくる。
〈うむ、これは悪くない…〉
路男磨の目が恍惚と潤む。
「うふふ、気持ち良さそうね、この分だと火傷もすぐに治るわ…」
ヒラリーは舌を絡めたり抜いたりしながら、路男磨の顔を貪るように濡れた唇を鼻から口、口から耳、耳から顎へと這わせ、彼に息付く間も与えなかった。
「あなたの火傷は重症よ…もっと、もっと舐めないとよくならないわ…」
路男磨の頭の中は快感で白濁としていた。
本能の赴くままに…再び彼の股間は屹立し、それまで以上に何かを求めピクついていた。
それをヒラリーの指がサワサワと撫でる。
その指は少しガサついているが柔らかく、そして異常に熱かった。
その熱に溶かされた我慢汁が滝のように膝下のズボンに流れ落ちている。
「もっとよく効く薬があるのよ~」
彼女はピチピチのショーツを穿いていた。
そのショーツを、あっという間に脱ぎ捨て、路男磨に彼女の言う火傷の特効薬を見せた。
マン毛も赤だ。
「ロオマ、ここよ、ここにいれるの。そしたら火傷なんてイチコロよ~」
と、また路男磨の唇に吸い付き、腰を押し当てその特効薬をヌラヌラの肉棒にあてた…。
「ああロオマ!あなたをはじめて見た時から、この時をどれほど待ち望んでいた事か…」
ヒラリーは狂ったように路男磨の舌を吸い上げつつ腰をくいっと動かした。

あわや合体…という時、路男磨の目に壁時計が虚ろに映った。
針が…10時を指している…。
「あ~~ッ!」
路男磨は頓狂な声を出した。
「しまった!」
路男磨はヒラリーをかわして走り出そうとして派手にこけた。
ズボンが膝まで下がっていたのを忘れていたのだ。
コンクリートの床で手とハンダチの股間を擦りむいた。
少し血が出ているがそんな事を気にしている暇は無い。
「ヒラリー、お陰で火傷は治ったよ―」
そういい残して厩を去り、全速力で駆け出した。
「ロオマちょっと…」
ヒラリーの手が虚しく宙を泳いだ…。
「悪い事しちゃったかな…」
泳いだ手に路男磨のちぢれ毛が二本残っている。
彼女はそれを…よく噛みしめてから飲み込んだ。


路男磨は30分間駆け続けた。
汗が顔から噴出してきた頃、やっとミタゴンの駅が見えた。
駅の改札の前に麗蘭が立っているのが見えた。
時間を見ると10時半だ。
「ごめん、仕事が手間どって…」
久しぶりの再会も外人のように抱きついたりはしない。
手を伸ばせば届く位置で、まず最初に路男磨は謝った。
「いいのよ、この国で30分なんて当たり前…」
とまで言って麗蘭は口ごもった…。
「どうしたの?」
「ううん、何でもない…」
「きっと疲れてるんだ、朝早かったんだろ?」
「そんな事も無いわ…」
久しぶりに見る麗蘭は一段と美しくなっていた。
長い茶色の髪からは仄かな香水の匂いが漂ってくる。
〈こんな美しい娘が俺に会いに…〉
そう思うだけで天にも昇る気分だった。
「今からどうする?食事に行こうか?」
白い歯を見せて麗蘭に微笑みかける―。
「乗馬学校を見に行きたいわ」
麗蘭は少し棘のある声で言った。
〈顔いっぱいの口紅、肩に三本の赤い髪…それに何なのこの匂いは…〉
それは記憶のある匂いだった。
〈コーヒーと何かが混じってる…〉
どこかで嗅いだ懐かしい匂い…。
〈そうだ、かっぱえびせんの匂いだわ…〉
彼は朝っぱらからかっぱえびせんを大量に食べたのだろうか?
しかし匂いは口からではなく下から上がってくる。
麗蘭は、はしたないと思いつつも路男磨の股間に視線を向けた。
そこはコーヒーと何かが混じってゴワゴワになっていた。

ワーホリの覚醒2赤い唇1

2012/07/06 16:00|連載小説ワーホリの覚醒2TB:1CM:0
その日の夜、路男磨はクレイグ、エマその他の生徒達と一緒にプレイルームでビリヤードをしていた。
相手はエマで、彼女は中学生だがいつ勉強しているのかしていないのか毎晩ここへきては遊ぶか、一緒に食堂でテレビを見るかしていた。
路男磨が8番ボールを落とせば勝ちと言う時、珍しくヒラリーがプレイルームに入ってきた。
「ロオマ電話―」
そこにはコードレスなんて無かったから一つだけ廊下に置かれてある電話器の所まで歩いていかなければならない。
「誰だろ?すぐ戻ってくる…」
路男磨はキューを壁に立てかけてヒラリーと並んで廊下を歩いた。
「女の子からよ…」
ヒラリーは探るような目で路男磨を見ながら言った。
「女…?」
ここの電話番号は女であれ男であれ路男磨の友人に知る者はいないはずだった。親にも伝えていないし領事館にもいちいち住所変更届なんて出さないから、調べたって分かるはずは無い。
「誰だろう?」
と首をひねりながら手垢で汚れた受話器をとった。
telephone.gif

「久しぶり路男磨、私よ、元気にしてた?」
受話器からは美貌を連想させる高くて良く通る声が聞こえてきた。
まぎれもなく麗蘭の声だ。
「ああ、麗蘭は?―」
彼女はアスオからここの事を聞いて電話帳で番号を調べてかけてきたという。
〈まだ付き合いがあったのか…〉
とその点が疑問であったが、久しぶりの日本語で路男磨はいつに無く長話した。
彼女の声音は、終始明るく、情愛に満ちていて、路男磨が黙って旅に出たことを咎める風は少しも感じられなかった。
〈俺なんかのどこがいいのか?…〉
路男磨はそれが不思議で仕様が無い。
麗蘭とは肉体関係は無い。
キスすらしていない。
だから厳密には恋人同士ではなく、麗蘭が自分に義理立てする必要は少しも無かった。

実を言うと彼は自分は麗蘭に相応しく無い―と思い始めていた。
ここに来て一ヶ月、慣れれば慣れるほど落ちこぼれの吹き溜まりである乗馬学校の居心地がよくなっていた。
その落ちこぼれの中でも特に型破りなクレイグとエマとは既に親友とも言える仲になり常に行動を共にしている。
逆に麗蘭はその正反対であった。
裕福な家庭に生まれ頭脳明晰、容姿端麗、幸福な一生が保証された典型のような人間ではないか。
我々とは所詮住む世界が違うのだ。
だから一緒にいると疲れる。
クリスマスに再会しよう―と約束したとは言え、もう二度と会わないほうがいいという思いは日に日に強くなっていた。

その別世界の彼女が、土曜日に会いに来たいと言う。
「ね、いいでしょ?」
「もちろん…さ」
断る理由は無い。
嬉しいといえば嬉しい、面倒くさいといえば面倒くさい、複雑な思いで受話器を置いた。


土曜日―普段はオリバー、ヒラリー、その他2,3人の生徒と一緒に厩のサラブレッドのみ掃除したり餌をやったりするのだが、その週末に限って、オリバーは馬の競にニューカッスルへ出かけ、殆どの生徒は実家に帰省し、クレイグは昨夜飲みすぎて起きてこなかったので、路男磨はヒラリーと二人だけででかけることとなった。

その日は生憎の曇り空で時々小雨がぱらついてだった。
牧場まではヒラリーのスバルの4駆で行く。
隣で運転する彼女はいつになく化粧が濃く、真っ赤に塗られた唇は目に痛いほどだった。
「今日は二人だけね―」
「9時半までに終わるかな―」
路男磨は車の窓から灰色の空を見上げながらいった。
麗蘭の乗った電車はミタゴン駅10時着である。
「そうか、今日ガールフレンドが来るんだったわね」
「うん、ほんの二ヶ月ほどだけどさ、もう何年も会って無いような気がするよ―」
「その子、今夜泊まるの?」
「さあ、そこまでは話してないけど…」
「ふう~ん、別に泊まったっていいのよ」
と流し目で言ったヒラリーの赤い目には怪しげな光が宿っていた。

厩に着くと路男磨はせわしなく手を動かせて馬糞を拾い、水桶に水を入れて、餌箱を満たした。
だがいつもなら最低四人はいるのに今週末に限って二人だけである。
当然負担量も時間も倍以上かかる。
やっと二馬房終えて次へ移ろうとすると、ヒラリーがお茶にしようと言う。
路男磨はいらないと言って作業を続けた。
このままでは10時に駅に迎えに行けないかも知れない。
路男磨はあせっていた。体からは汗が噴出している。
「そんなに慌てなくても大丈夫よ」
ヒラリーは路男磨の腕をつかみ、無理矢理生木で出来た長椅子の上に座らせた。
彼女は湯を沸かし、コーヒーを二つ作るとその一つを路男磨の前に置き、自分はその横にぴたっと寄り添うように座った。
今日の彼女は肌寒いのにタンクトップ一枚で、その剥き出しの肩が路男磨の上腕部に触れていた。
「あら、汗かいてる」
ヒラリーは下から路男磨を見上げハンカチを取り出して彼の顔をふいた。
拭きながら彼女はミサイルのような胸を彼の胸にグッと密着させる。
「いいって…」
顔を赤くした路男磨は、彼女のハンカチを持った手を払うようにコーヒーを一気に飲み干そうとした―
「熱っ!」
舌を火傷した彼はその拍子にカップを取り落とし、股間のあたりが一瞬にして茹蛸のようになった。
路男磨は股間を押さえて飛び上がるように立つと、ハアハアと犬のように舌を出し、小またでテーブルの周りを早歩きした。
「大丈夫?私が応急手当してあげる。じっとして…」
そう言ったヒラリーは路男磨をテーブルにもたれかけさせるように立たせ、その前に屈むと穿いているジーンズとボクサーパンツを一緒に膝の所までずらした。
「な、何をする?…」
童貞の路男磨は、彼女が何をするのか予測が付かずただされるがままになっている。
「火傷にはね、これが一番効くのよぉ~」
彼女は丹念に路男磨の股間を舐め始めた。
「そ、そんなの聞いたこと無い…」
と言いつつもその怪しい舌の動きに茹で上がった股間は雄雄しく反応した。
痛い…痛いがそれ以上に気持ちいい―。
ヒラリーの舌が赤くなった肉棒の周りを蛇がとぐろを巻くように舐めていく。
そして中心の獲物の硬さを舌先で十分確かめてから、パクリと飲み込むように噛み付いた。

ワーホリの覚醒2クレイジーチャイナマン3

2012/06/28 18:00|連載小説ワーホリの覚醒2TB:1CM:0
朝の訓練が終わった後、路男磨は一人再び馬を飛ばしてズッキーニファームへ向かった。
馬の私用に関してはヒラリーにお願いした所、二つ返事で許可してくれたが、バンディッドではなく大人しい雌馬のナレルに乗り換えるように言われた。

その白馬の背に跨り大草原を斜めに突っ走ってユーカリの林を抜けアスオと再会した地点に戻ると、彼はまだせっせとズッキーニをちぎっては籠に投げ入れていた。
「アスオ、久しぶりだな」
路男磨は用水路を挟んで馬上から英語で声をかけた。
「こんな所で出会うとはな…で、何で馬なんだ?」
アスオも当たり前のように英語で返す。
路男磨はこれまでの経緯を説明した。
「ふ~ん、じゃあお前はそのミタゴン乗馬学校に寝泊りしてるのか?」
「そうだ、お前は?」
「俺はあそこに住んでいる」
アスオはズッキーニ畑の外れにある屋根の破れた小屋を指差した。
long-county-ga-zucchini.jpg

「いいとこ住んでんじゃねえか…」
と路男磨がその方を眺めていると、馬が豪快に放屁した。
「何だ馬も屁をするのか?」
アスオは真面目な顔で言う。
「当たり前じゃないか。人間と一緒さ」
「その馬、雄か雌か?」
「雌さ。お前馬のまんこって見たこと無いだろ。すげーピチッと締まってんだぜ」
「お、お前まさか犯ったのかっ!?」
アスオはさっきまでと違って興味深々と言った顔つきで立ち上がった。
目が好奇心で光輝いている。
「アホ!今見せてやるよ。下がってな」
路男磨は用水路から少し下がって加速をつけた後、馬の腹をポンッと蹴った。
馬は大きく跳ねて用水路を飛び超え、ズッキーニの隙間に着地した。
「どうだ、うまいもんだろ?」
アスオはそれには答えず、馬の後ろに回り、尻の辺りをじっと見つめている。
そしてガバッと尻尾を掴み持ち上げるとその下の性器をまじまじと見た。
「ホントだ滅茶苦茶締まってそうだ…」
そう呟いたアスオは尻尾を握ったまま膝を屈めて、特大のズッキーニを千切った。
「おい、何をする!?」
馬上の路男磨は叫んだ。
「なあに、反応を見るだけさ…」
アスオはそれをいきなりズボッと突っ込んだ。
「ブヒヒ!」
鼻を震わせて驚いた馬は後足でアスオの腹を思いっきり蹴った。
彼は3メーターくらい飛んで背中からズッキーニの上に落ちた。
「ぐぅおおおお……ものすごくいてえぇ…」
倒れたアスオは脇腹を押さえ芋虫のように転がっている。
「馬鹿なことするからだ…」
路男磨は馬上から冷たく言ったが、彼のこういう所が実は結構気に入っていた。
「ところでよ、お前白人の彼女できたの?」
「きくな…」
アスオは腹を押さえたまま言った。
「麗蘭…今何してるか知ってるか?」
「さあな、男とはめくるってるんじゃないか?」
「見たのか!?」
路男磨の声がやや上ずった。
「いや、でもあれほどの美人だからな。彼氏がいないほうがおかしいぜ」

路男磨は馬から降りて、アスオの横に座った。
土の熱で尻が燃える様に感じた。
「みんな何してるんだろうな?」
「みんなって英語学校のカス共か?」
「偉そうなこと言うなよ。望詩とかいい子だったぜ」
と路男磨はズッキーニ畑を見渡した。
遠くでもアジア人らしき男がマシーンのようにズッキーニを千切っている。
「物好きな…あの妖怪とやったのか?」
アスオはさっき馬に突っ込んだ特大ズッキーニをポキッと生のママかじった。
「お前だったらさ、綺麗で一緒にいて疲れる子と、ブスで一緒にいて疲れない子とどっちがいい?」
アスオは口を大きくあけて太陽に晒し、馬鹿にしたように鼻糞をほじった。
「麗蘭は疲れる女じゃないぜ。お前が勝手に疲れてるのさ―」
「つまり綺麗な方を取れと?」
「綺麗な方じゃねえ。麗蘭を取れと言っている―」
アスオは最後の一言は意味ありげに路男磨の目を見ながら言った。

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