笑顔の下の本音をさらし、心の奥底の情念をむき出しにし、意のままにならぬ世間をぼやき、たいしたことも無い日常をご報告するブログです。

オーストラリアの青い空
http://melozy.blog.fc2.com/ presented by おーあお

プロフィール


おーあお

Author:おーあお
1990年より在豪、6年シドニーに住んだ後、メルボルンへ。
嫁は英国人、息子はオージー。そして私は日本人。国籍もバラバラなら思想もバラバラ、何もかもバラバラなまとまりのない家族です。
唯一の共通点は、猫好き♥


最新記事



カテゴリ



最新コメント



最新トラックバック



月別アーカイブ



カレンダー


07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


全記事表示リンク


全ての記事を表示する


腰抜け物語

2011/02/13 21:00|腰抜け物語TB:0CM:0
M.K寄稿

腰抜物語

去る2009年、冬。
私は4度目のロックアップ(ぎっくり腰のようなもの)をくらった。
痺れがつま先に走り、体が凝固する。
過去一年ほど、痛み止めを飲み、骨接ぎに通ってごまかしてきたが、もう限界と思った私は 「もはやこれまでぇ~!」と水戸黄門のさいごにブチキレる悪代官のように見切りをつけ、運送屋を去った。

「これからどうすればいいのだ?」
私は、行きつけのドクターに相談した。
「君は、腰がぶっ壊れているだけでなく、頭も悪けりゃ、見た目も悪い。口も回らないし、手先も不器用そうだ。そんな君にできる仕事は、ロリポップマン(工事現場でペロペロキャンディーみたいな棒もってたってるおっさん)しかない」
「ロリポップマン?」
ここでドラマならば「なにおーっ、僕だってやればできる」と心気一新大発奮、ひめたる才能が目覚め大成功、というのがよくあるパターンだが、私の場合「それもそうか」とただ単に納得し、警備員の学校へ通うことに―。

久しぶりに座る教室。
内容はいたって簡単。
しかし…「全然覚えられねえ」
自分の頭脳の衰えに愕然とした私は、持っていた鉛筆をポロリと床に落とす。
その時なぜか「うっ、牛が攻めてくるっ!」と言って逝った祖母の姿が脳裏をよぎった。
「まさかこの若さで…」
俺にオプションは残されてないのかっ!
ネットでエロ動画(無料)落とす以外、俺に出来ることはないのかっ!

世間には 〈なせばなる なさねばならぬ 何事も〉 という標語もあれば〈果報は寝て待て〉 という諺もある。
私は、迷わず後者を選んだ。
やる気のない生活。目は死魚と化し、口はダッチワイフのように開きっぱなし。
そして―ズリ浸りの毎日。
「ああ、俺はこのままサルと化して死んでいくのか」

だが人生悪いことばかり続かない。
こんな馬鹿な私にも仕事がまわってきた。
警備員、夜回りの仕事だ。
面接官が私に聞く。
「君は柔道ブラックベルトか?」
「はいっ」
私は誇らしげに答えた。柔道どころか足払いもできないとはおくびにも出さない。

メルボルン東地区― 夜、真っ暗な校庭を懐中電灯一本で歩く。
思いっきり屁をたれるのも、ぶつぶつ独りほざくのも、スケベな想像をするのも自由だ。周りには誰もいない。たまに筋肉むきむきのポッサム(コアラとねずみのハーフみたいなもん)が木から落ちてくるぐらいだ。
「ああ、なんて素晴らしいんだ」
私は、この仕事を愛した。
“ 天職”  私はこれをするためにこの世に生を受けたのだ。

もしまた生まれ変わっても私はこの仕事をするだろう。
そもそも、何度生まれ変わったところで、“一生懸命勉強して偉くなってやろう” という気は、私にはこれっぽちもない。

夜間パトロールの日々が続く。
人間などはゴキブリと同じで暑い夜はわんさか湧き出てくる。
侵入者に接すれば、弱そうな奴は脅し、子供は追尾し、強そうな奴は見て見ぬふりをして真面目に働いた。

しかし、幸せは長くは続かない。
腰痛は依然続いている。それを抑えるために大量の痛み止めを飲む。
胃が猛烈に痛む日があり、時には吐いたり、ケツから血を吹いたりした。
腰が割れるか、胃が破れるか―と覚悟はしていたが、自信のあった足が壊れた。膝が焼けるように痛い。週最低四日、一晩15KM+は、40目前の足には過酷過ぎたのかっ?

私は、真の能無しになった。
私にできる仕事はもう何一つない。
収入は途絶え、郵便受けには請求書が山のようになっている。
郵便屋が憎いとさえ思った。
「もうだめだ。ようしこうなったら最後の一滴まで搾り出して死んでやるう」
私はこの年になって狂ったように抜きまくった。
そして…ついに頭の中が真っ白になりそのまま倒れた。

頬に午後の木洩れ日の温もりを感じた。
「う…死んでないのか?」
薄目を開けたとき、子供と嫁の冷たい視線が私を見下ろしていた。
二人は、下半身をさらけ出し、ティッシュに埋もれた私を見限り、家を去っていった。

絶望の日々が続く。暗い部屋に一人。
私は何度も死のうとしたが、何故か中森明菜のように死ねなかった。

ところが ― 世の中捨てる神ありゃ拾う神あり。
ある晴れた春の日に、奇跡は起こった。
それまで塩漬けになって、しょぼくれていたカブがレッドホットキムチに変る。
私は、すかさず売りさばき、それを元にまた新たに漬け込んだ。
するとそれがまた、極上のキムチに…。
「ウオーッ!!!」
口から火を吹いた私は、鼻の穴を膨らまし、臭い息を撒き散らして早朝から売り歩いた。

早売り ― といつも出てくる専門家先生達は言っている。
でもあのシト達…
いや、よそう。あの方がたは、それなりのお勉強をなされておる。
それをとやかく言うのは、プロの将棋見て
「まだそこ逃げれるやんっ?!」
って言っているのと同じレベルではないのか。

とにかく― 世の中は踊り狂っている。
わしが来た頃のオージーは質素で謙虚やった。
ドアの無い車も堂々と走っていた。
それが今は…

オージーブルシット*って知ってる?
じゃなきゃいいけどね。

繁栄の 踊る世間の 足元に せまってきてるよ 滅亡の陰

(なに?馬鹿丸出し!そのままやんって? ‘おごる平家は久しからず’ でええやんってか?  
いやだめなのだ。
それでは、馬鹿な子供や、滅茶苦茶馬鹿な大人が ‘久しく平君におごってもらってないなあ’ と解釈してしまうのだ。
この展開の速い時代、社会警鐘は園児にもすぐ分かるものでなければならん。
例えば、
“ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは”
とゆーのが百人一首にある。
はてさてなんのこっちゃ? 私は考える。
えーっと… ちはやという ちちのブルっとした女に、手紙4枚もかいたのに、言うことも聞かず体もくれん。やから、竜田川におびき出して水の中でくくってやったわ…と儚い恋を詠んだのだな。と文学の探求に余念のない私でさえ解読するのにかなりの時間を要した。これでは時代の流れについていけない。)

閑話休題 ←(これどー読むん?)
わしは金を得た。
これからは、紀伊国屋文左衛門のように…
いや、政治家…
教祖…
F1ドライバー…

「馬鹿、何言ってんの?」
「き、君は? 随分色が黒いけど…」
「あたし?あたしはゴキブリの妖精ぶり子。あなたを助けに来たの」
「なぜ、ぶり子が僕に?」
「あたし、あなたの本読んだの、人がゴキブリに対して酷過ぎるって、見つけたら即死刑、叩き落とす、踏み潰す、毒ガスに、毒団子、おまけにトラップで、生まれたての子まで…それにホイホイなんてつけてって憤慨してくれて…うっうっ、あたし泣いちゃったわ。」
「泣くなよぶり子、僕は、ゴキブリもクワガタも裏返せばそっくりなのに待遇の違いに不満を持ってるんだ。そうだ、ぶり子、僕が訴えてやるよ」
「だめよ!あなた偉くなったつもりなの。あたしあなたが間違った方向に進むのを止めに来たのよ」
「ぼくが?」
「あなたは、生まれつきケツの穴の小さな小心者、たまたま当たっただけじゃないの。大きな事のできる人間じゃないわ!」
「ぶり子、心配するなよ。わかってるさ。この歳まで生きてさ、僕より馬鹿ってそーはいないって。盃一杯の器で酒には酔えないさ」
「そう、分かってたの。あなたは今まで通り、台所を散らかしっぱなしで寝てくれればいいのよ。かっこつけちゃだめ!」
「わかったよ。今まで通りケチに徹するよ。世間の人から ケチ山ケチ雅って後ろ指さされて生きていくよ」
「うれしいわ、好きよ」
と、ぶり子は僕に抱きつき、僕の唇に真っ黒な唇を重ねた。


「口が、吸われている…ぶり子…」
私はうっすらと目を開けた。
視界の下に黒いものが…
「うわっ!」
反射的にその黒い物体を払い落とし、さらに絨毯の上を逃げ惑うそのゴキブリを
「グシャ!」
と素手で押しつぶした。

「しまった…ぶり子…」
私は、我に帰った。ゴキブリの内臓がはみ出し、黒い足がぴくぴくしている。
「ぶり子…ああ、僕はぶり子を、ぶり子を殺してしまった…」

「何やってんのよ、馬鹿!」
振り向くと嫁が呆れた顔でたっている。

全ては長い夢だったのだ。

もしや…
私は、急いでインターネットで持ち株をチェックした。
―91%、―87%、―65%…
何の変化もなかった。

ただ、私が無職であることだけは、夢ではない。
現実である。

「ああ、このままではいけない。これからは心を入れかえて頑張るぞっ!」

私は、気分転換に外へ出た。
午後の日差しが肌に心地いい。
なにか無性に努力したい気分だった。

「やるぞ。俺はやる!でも何から手をつければ…」

私は、ヤル気満々で近所を歩き回った。
気づくと私は、ニュースエージェント(新聞、雑誌、文房具屋、宝くじも売る)の前に立っていた。

「オートピックで、24ゲーム!」

私は、気合を入れてタッツロット(宝くじ)を買った。

「これで俺も幸せになれる…家買って…車買って…カジノで豪遊…」

子供のように澄んだ目で青空を見つめ、いつものように当たった時の金の使い道に想いを馳せていた。


*日本人の想像を絶する究極のなんちゃって

M.K  



スポンサーサイト

検索フォーム



おすすめ記事



フフフ、この謎が解けるかな?


良い習いは地歩地歩

人気ブログランキングへ にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ


リンク


このブログをリンクに追加する


RSSリンクの表示



QRコード


QR


 |  未分類 | メルボルンライフ | メルボルンのニュース | オーストラリアの風俗 | オーストラリアのニュース | オーストラリアの日本関連ニュース | オーストラリアの株、不動産ニュース | おーあおの不動産売買 | 自閉症関連ニュース | 自閉症.AUTISMの真相 | 調査捕鯨 | 海外から見た日本の領土問題 | 面白人間 | 腰抜け物語 | 下痢腹男の苦闘シリーズ | 私立探偵中出好男 | 中年ボロボロフリーターの日記 | 連載小説ワーホリの覚醒1 | 連載小説ワーホリの覚醒2 | 連載小説ワーホリの覚醒3 | 連載小説ワーホリの覚醒4 | あしたのペニ子 | 世界のニュース | 観光関連 | 宇宙関連 | 医療関連 | 教育関連 | ウチの猫 | 国際結婚 | 言語関係 | メラちゃんのジュエリーマーケット | 絵画 | 豪の鳥 | 豪の動物 | 豪の食いもん | サバーブ遊歩日記 | 家の修理 | これから豪に来る人の為に | テニス | ゴルフ | Japanese News (Australia related) | Reserch | おーあおの株取引 | 
Copyright(C) 2008All Rights Reserved. オーストラリアの青い空
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への軌跡.